見出し画像

デザイナーは犬の道に進むことなかれ

デザインをするとき、目的をはっきりさせずに、クオリティーをあげることをしちゃダメ。もしくは大量生産をしちゃダメ。それは犬の道を突き進むことになる。

例えば、依頼主からWebサービスのUIデザインを依頼される。
企画書にはターゲットは30代後半から40代、少し落ち着いた感じ、こんな雰囲気でと某有名 Webサイトのキャプチャーが貼ってある。構成案には既見感のキャッチコピーがあり、レスポンシブ対抗でお願いしやすと!なっている。
このボヤッとした情報でデザインを進める。それなりのクオリティーを仕上がったところで依頼主に見せる。ここの部分もっと目立たせたいとか、全体的に明るくして欲しいとか、シンプルすぎるのでもっと装飾をつけて欲しいとか依頼される。
これはもう犬の道に迷い込んでいる状態です。

きっかけは、コロナの影響で外出れないし読書でもしよう!と手にとった安宅和人の「イシューからはじめよ」に書かれていた、なんとも引っかかった言葉。犬の道。

犬の道とは

価値(バリュー)のある仕事とは、イシュー度(自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ)と解の質(そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているのかの度合い)の2つで成り立つらしい。

イシューを見極めずに、一心不乱に解の質を上げていくこと。そして大量のリテイクをして、イシュー度を高めていくこと。これが犬の道。

はじめに例を上げたが、まさに犬の道だった。

画像1

犬の道を通らないためのデザイン

自分はWeb界隈のデザイナーとして10年以上キャリアを積んできましたが、まさに犬の道を突き進んできた感が否めない。答えがないまま、とりあえず見栄えが良い成果物を作ったり、とりあえずABテストするからと大量のバナーを作ってきました。デザイナーなのに安全第一ヘルメットをかぶって先の見えない工事現場で働いているような肉体労働感。まさに犬の道。(この経験なりに得たものを大きいと思うが)

それはWebやテクノロジーがものすごいスピードで変化して過度期であったり、デザインの手法が未成熟で確立されなかったり、またデザイナー職の経験がなかったり、ものづくりの経験がない人達がとりあえず管理職や上流工程についてり、そんな理由があると思う。

そんな遺産を変えるべしと、UXデザインやサービスデザインが着目されるようになったり、それではダメだ!トップから変えていかないということで、デザイン経営なんてものが出てきたり。
犬の道では良いものが作れない、または膨大な時間とお金を費やすことになるってことをみんな気づきはじめた。

そしてUXデザインやサービスデザインなどの考え方や様々なフレームワークやデザインフローはイシュー度を高める道具なんだと「イシューからはじめよ」を読んでいて腑に落ちた。

ただイシューを見極めるのは超難しいし、時間もかかる。

走りながら考えることは、犬の道まっしぐら

走りながら考える、という言葉がある。走り出したら何か見えてくるかもしれないし、走り出したら課題を置いといて作業に集中できるから気も楽になる。ただ走り出したら止まらない。イシューなく解の質を高める犬の道まっしぐら。
実は走りながら考えることに乗っかってしまって、直近のプロダクトで大失敗をしたのでした。走りながら考えるはただの思考停止なので本当にやめた方が良い。

だからこそ、一度立ち止まることを諦めないことを強く言いたい。
イシューが分からなければ、いろんなユーザーに聞きに行く、フレームワークを使って分析してみる、とりあえずたくさん試せ。イシューらしきものが出てくるまで。

画像2

願いとしては、皆がそしてこれからの自分も犬の道に迷わないようにと強ーく思った。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?