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雪山からはじまる、雪国新潟の協力隊サポート人材のためのOJT研修

こんにちは。新潟県の地域おこし協力隊の推進に取り組む、石塚直樹(いしづかなおき)と申します。この度は本記事をご覧いただき、ありがとうございます。

R5(2023)年度、新潟県では、県内市町村における地域おこし協力隊の導入や隊員のサポート体制の整備を支援する「地域おこし協力隊活用促進事業」に取り組んでいます。事業の一環として推進する「地域おこし協力隊のサポート人材育成のためのOJT研修」では、県内の地域おこし協力隊先進地である十日町市で地域おこし協力隊のマネジメントを担う(一社)里山プロジェクトが市内の隊員向けに行う研修の場に、県内他自治体の隊員や担当行政職員も参加し、実際の現場で隊員へのサポート内容やその手法を学びながら、市町を越えた交流を深めるオンザジョブトレーニングを行っています。

2024年2月5日から6日の二日間、第7回OJT研修として、十日町市松代で「十日町市地域おこし協力隊総合研修」が行われました。真冬の雪山から始まった2日間の研修をレポートします。


1日目①|オリエンテーションonスノーシューツアー

雪降る初日の午後は、オリエンテーションとして、雪山でのスノーシューツアーからスタート。スノーシューツアーは協力隊OBである里山プロジェクトの小山友誉さんらが作り上げたプログラムです。ガイドは小山友誉さんと十日町市地域おこし協力隊の髙木良輔さん。皆でスノーシューを履き、道なき道を一列になって進みます。歩く途中、動植物や遠くに見える集落についてのレクチャーもありました。

県内各地から、雪降る十日町市松代に集合。スノーシューハイクを行うやぶこざきキャンプ場に向かいます
スノーシューツアーを企画開発し、ガイドを務める里山プロジェクト代表理事の小山友誉さん。小山さんは、やぶこざきキャンプ場/Yabukozaki outdoorsを運営するプロのアウトドアガイドです
一列になって、無心に歩きます
一時ホワイトアウトしかけましたが笑、プロガイドが付いているので安心です

雪山を歩いたあとは、雪上で焚火。焚火でお湯を沸かし、やぶこざきキャンプ場でカフェ「コーヒーとタープ」を運営する会田さんに美味しいコーヒーを淹れていただき、コーヒー片手に焚火を囲み温まりました。皆さんフードには雪が積もり、見た目は寒そうですが、体感はそれほど寒くありません。雪深い十日町ならではのおもてなし・ダイナミックなオリエンテーションで、地域の一端を感じて知るとともに、参加者同士距離を縮めることができました。

雪降る中焚火を囲むゲストの皆さん
菅笠(すげがさ)を被って参加の十日町市地域おこし協力隊(松之山地区担当)のローラン・アントワーヌさん。菅笠が似合っていますね

1日目②|協力隊制度関係者による講義

スノーシューツアーの後、会場の松代棚田ハウスに移動し、研修会本編のスタートです。1日目の後半は、研修会の概要説明のあと、協力隊制度関係者から、全国および新潟県の協力隊の制度や状況をインプットする下記の3つの講義が行われました。

1日目後半プログラム
協力隊制度関係者による3つの講義
 講義1.JOINの取組と活用方法
  -移住・交流推進機構JOIN・大久保氏
 講義2.地域おこし協力隊について
  -総務省・深野氏
 講義3.新潟県における協力隊事業の強化について
  -新潟県・品田氏

移住・交流推進機構の大久保さん(左)と餌取さん(右)。お二人ともに自治体からJOINに出向されています。協力隊のためのクラウドファンディングサービス「HIOKOSHI」や地域おこし協力隊サポートデスクなど、JOINの取組と活用方法についてお話頂きました
総務省地域力創造グループ地域自立応援課の深野さん。地域おこし協力隊の全国的な動向や財政措置の拡充、立ち上がったばかりの地域おこし協力隊全国ネットワークの取組についてお話頂きました
新潟県地域政策課の品田さん。新潟県が進める地域おこし協力隊活用促進事業の概要についてお話頂きました

1日目③|参加者懇親会

1日目の全てのプログラムを終了し、参加者による懇親会が行われました。会場の松代棚田ハウスは松代中学校冬季寄宿舎をリノベーションした宿泊施設で、観光や地域交流の拠点として宿泊、団体・学生の合宿などに利用できます。中学生当時、寄宿舎を利用した地域の方々は皆口を揃えて「楽しかった」と語るそう。地域の方々による地元食材を活かした食事もとても美味しく、楽しい時間を過ごすことができました。

懇親会の様子。十日町市の協力隊のご家族やお子さんなども合流し、にぎやかで楽しい時間になりました。懇親会の途中、2日目のゲストによるミニレクチャーも行いました

2日目|協力隊OBによる講義+グループトーク

一夜明け、2日目のプログラムがスタートしました。前半は協力隊のOBで、愛媛県の協力隊ネットワークであるえひめ暮らしネットワークの副代表や地域おこし協力隊サポートデスク専門相談員を務める鍋島さんを講師に、鍋島さんが地域おこし協力隊として愛媛県大三島で活動を開始してから現在に至るまでの半生をお話し頂きました。失敗やそれを乗り越えた話もさらけ出していただき、勇気をもらえた方も多かったのではないかと思います。

その後、これまでのゲストに新潟県阿賀町でカフェベーカリーの運営や地域商社事業に取り組む山から株式会社の柳沼さんにも加わっていただき、3つのグループに分かれ、テーマへの理解や関係を深める自由なグループトーク(30分×3回転)を行い、全プログラムが終了。雪の中、それぞれの帰路につきました。

2日目プログラム
講義4.地域に生きる人として
 -えひめ暮らしネットワーク 鍋島氏
グループに分かれてのゲストを交えたグループトーク
 A.地域を活かしたビジネス
   -山から株式会社 柳沼氏
 B.行政の立場と協力隊の関係
   -JOIN 大久保氏・餌取氏
 C.協力隊サポート
   -えひめ暮らしネットワーク 鍋島氏

えひめ暮らしネットワークの副代表や地域おこし協力隊サポートデスク専門相談員など、様々な役割を務める鍋島さん。これまでの変遷や活動を通して考えてきたポイントなどお話頂きました
山から株式会社柳沼さんを囲んでのグループA「地域を活かしたビジネス」のトークの様子。柳沼さんが実際に商品開発した商品の現物を見ながら、運動論と事業論など、地域資源を生かしたビジネスについてトークしました
JOINの大久保さん、餌取さんを囲んでのグループB「行政の立場と協力隊の関係」のトークの様子。行政の立場と協力隊の関係だけでなく、協力隊の募集の方法等、全国の事例を交え、様々なテーマを議論しました
地域おこし協力隊サポートデスク鍋島氏とカウンターを囲んでのグループC「協力隊サポート」のトークの様子。協力隊や、協力隊のサポートにあたる集落支援員の方にもご参加頂き、協力隊のサポートをはじめとして自由に議論しました

実施後の参加者アンケートでは、「新たな出会いと協力隊同士の交流を深められた。先輩たちの話がとっても参考になった。」「いまスタートしたプロジェクトへのヒントが得られた。」「スノーシューツアーの内容が勉強になった」など、約9割の参加者が内容に満足し、協力隊のサポートや活動に活きるヒントや繋がりが得られたとの結果が得られました。対面で、体を動かし、食事をして、とことん話す機会はやっぱり大事ですね。また皆さんにお会いできる機会を楽しみにしています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!このnoteでは、今後も新潟県の地域おこし協力隊や地域づくりに関することについて発信していきます。スキ・コメントなど頂けますと嬉しいです!



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