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ガンプラの品薄は転売ヤーのせいだけではない?

ガンプラ、それは「機動戦士ガンダム」のプラモデル。
1980年7月の「1/144 ガンダム」販売開始から40年以上もの歴史を誇る商品です。

常時大人気で爆売れだったわけではなく一時はプラモ離れもつぶやかれるほど低迷していたこともありました。

しかし昨今の巣ごもり需要で人気が爆発、喜ばしいことかと思いきやそこに目を付けた悪名高い転売ヤーどもの標的になってしまうという残念な状況になっています。
新作の予約開始日や発売日ともなれば各地でモデラーVS転売ヤーの争奪戦が始まり、本当に欲しい人が簡単には手に入れられないという異常事態。
メルカリなどのオークションサイトやAmazonに定価をはるかに超えた金額で並ぶさまを見るのは胸が痛いです。

販売元のバンダイも重い腰を上げ、人気商品の再販スケジュールの発表やオンラインショップでの抽選販売を行うなど転売ヤー対策を強化し始めています。

バンダイホビーサイトにある「品薄状態の改善にむけての、生産、販売の対策」の内、「販売」の対策は遅まきながらもされているといってもいいでしょう。
では「生産」の対策はどうなっているのでしょうか。

「ガンプラ」をはじめとしたプラモデルを生産する工場「バンダイホビーセンター」の敷地内に新設した「バンダイホビーセンター新館」を2020年12月に稼働させたとあります。
これにより生産能力が1.4倍に引き上げられたそうです。

昨年末から生産力が1.4倍になっている・・・
まったく実感がありません。
模型店・大手量販店のプラモコーナーをのぞいても在庫は増えるどころか日に日に減っています。
大手量販店などはプラモコーナーを縮小または撤去しているのが現状です。

とあるYouTubeの動画で模型店の店長さんにインタビューをしている場面がありました。
それによるとガンプラの仕入れ数は以前に比べ「三割」にまで下がっているそうです。
別に店長さんが仕入れを抑えているという話ではありません。発注しても回答がこれなのです。

おかしな話です。
昨今の半導体不足による電化製品の品薄ならいざ知らず、プラモに関しては材料不足で増産できないという話は聞いたことがありません。
ならば最大限の1.4倍とは言わないまでも以前よりも生産力が高くなっていることは間違いないでしょう。
それなのに仕入れ数は七割減。
もちろん大手や小規模店は元々の仕入れ数が違うのですべてのお店が同率減ということはないでしょうが、売り場を見る限り入荷数の大幅減は明白です。

新作や人気商品は別として、どうやら全体的なガンプラの品薄という現状は悪質転売ヤーだけの問題ではないようです。
その答えはおそらくこれでしょう。

バンダイナムコホールディングス社長川口勝氏のインタビュー記事です。
川口社長は『ガンダムは特に海外が好調です。プラモデルの海外売上比率は5割を超えました。これまではプラモデルが売れないと考えられてきた北米でも、ハイターゲット(大人層)を中心に人気が広がっています。』とおっしゃっています。
発言を鵜吞みにするのであれば、どれだけ生産しても半分以上は海外に輸出されているということです。
2021年8月23日の記事なのでそれ以降海外の比率が上がっている可能性は大いにあり、もしかしたらすでに六割を超えているかもしれません。

生産力が1.4倍になっても国内での供給が足りないわけです。
ジャブジャブ海外に送ってウハウハなのでしょう。
企業としては正しい行動なのかもしれません。

だがしかし、それでいいのかバンダイ!
ガンプラ黎明期から黙々と買い支えてくれたベテランモデラーを、少しでも普及させようと頑張ってくれた模型店をないがしろにしていいのかバンダイ!

片桐さんのように発売開始直後から作り続け、低迷期も変わらず長年支えてくれた方々に感謝の気持ちはないのか!
ガールガンレディという見えている地雷を大量に仕入れさせたあげく本命のガンプラは渡さないとかてめぇらの血は何色だ!

日本国内でこのまま品薄状態が続くのであれば、将来を担うであろう子供たちに普及しないという最悪の未来が待っています。
ガンプラ誕生国でそれはあまりにも寂しいです。

若干私怨も交じって熱くなってしまい申し訳ありません。
少しでも現状が改善されることを祈るばかりです。

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