いのまたむつみ先生とドラゴンクエスト
アニメやゲームのキャラクターデザイン及び原案、小説の挿絵などを数多く手がけられたイラストレーター、いのまたむつみ先生の突然の訃報。
テイルズシリーズ・宇宙皇子・サイバーフォーミュラ・風の大陸・ブレンパワード・プラレス3四郎など代表作は多々あれど、私が一番好きなのは『小説ドラゴンクエスト』シリーズです。
ウン十年前に本屋で親にねだって買ってもらったもの。
年季が入りまくっているのでボロボロです。
その頃は「いのまたむつみ」先生のことは存じ上げておらず、ただただ表紙のカッコよさに一目ぼれ。
平積みされていた本書はひと際輝いて見えました。
それまでは買い与えられた本をただなんとなく読んでいたぐらいで特に読書好きというわけではなかったので、「本当に読むの?」「うん」「本当に?」「うん」「漫画じゃないんだよ?」「わかってる」というやり取りを繰り返したのもいまでは良い思い出。
生まれて初めて自分からほしいと思った小説であり、小説の楽しさを教えてくれた一冊です。
昔々、ドラマCDというジャンルが隆盛を誇っていた時代にドラゴンクエストもしっかり発売されていました。
表紙はもちろん「いのまたむつみ」先生。
CDシアターと銘打っているように付属のイラストブックがとても豪華です。
「いのまたむつみ」先生のデザインをもとに名場面をセル画調のアニメ絵で再現。
当時はマジでこれをアニメで放送してくれと願っていました。いや今もか。
ちなみに主人公である勇者アレフは関俊彦さん、ローラ姫は笠原弘子さんが演じられています。
小説ドラゴンクエストシリーズは「Ⅶ」まで出ていて、著者は数度変わりましたが外伝も含めてイラストはすべて「いのまたむつみ」先生が担当されています(新書版はのぞく)。
そのうちの「V」までを収録した画集です。
上下巻などで分かれていたイラストを一枚絵として見られるのはたまりません。
「Ⅵ」と「Ⅶ」も含めた完全版の発売をお待ちしております。
ちょっとした油断で表紙の上部がよれてしまったのは痛恨の極み。
小説の楽しさを知るきっかけを作ってくださった「いのまたむつみ」先生には感謝してもしきれません。
本当にありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
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