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Googleコアアップデートの影響を受けた企業は何をすべきか?

石戸(@idist_410)といいます。普段は、アイオイクス株式会社にて、SEOコンサルタント兼セールスを担当しています。

GWの最中である5月5日、Googleによるコアアルゴリズムアップデートが行われました。

【ツイートの翻訳】
本日後半に、年に数回行うように、広範なコアアルゴリズムの更新をリリースします。 2020年5月のコアアップデートと呼ばれます。このような更新に関するガイダンスは、これまでに説明したとおりです。詳細については、このブログ投稿をご覧ください。

Googleコアアップデートとは、3~4か月の周期で行われるGoogleの評価基準の更新のこと。

Googleの検索の仕組み(アルゴリズム)は200以上の指標がもとになっていますが、その仕組みが大きく変わるのがコアアップデートです。コアアップデートが行われると、検索結果が大きく変動します。

今回のアップデートによって、自社のサイトの順位が大きく変動したという方もいるのではないでしょうか。

特に自社のビジネスが検索に大きく依存するモデルの場合、コアアップデートの結果によって大打撃を受ける企業も多いことと思います。

そこで、今回は「Googleのコアアップデートで影響を受けた企業は何をすべきか?」というテーマで、コアアップデートへの対応策をまとめました。

「Googleの変動でサイトがやられてしまった...」という方の参考になれば幸いです。

Googleコアアップデートの直後は、静観すること

まず結論からお話しすると、Googleコアアップデートの直後は静観することを推奨します。

「コアアップデートへの対応策と言いながら、静観とは?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、アップデート直後の変動から得られる情報は決して多くありません。

なぜなら、アップデートは1~2週間ほどかけて行われるため、リリースされてすぐの検索結果はあまり当てにならないからです。

我々のようなSEOコンサルティングの企業は別として、事業会社の方なら直近の傾向を分析することで得られる情報は、その労力に対して少ないといえます。

朝と夜で検索結果が変わっていることも珍しくありませんので、まずは静観し、落ち着いてから自社サイトの状況をチェックしましょう。

アップデートが落ち着いたら、自社サイトの状況をチェックする

5/5がアップデートのリリースされた日であるため、5/20頃にはひととおり順位変動も落ち着き、情報も出始めていることでしょう。

その段階になったら、自社サイトの状況を詳しくチェックします。

・大きく順位が変動したキーワードは何か?
・順位変動によって、売上にどのような影響が出たか?
・下がったページの共通点は何か? など

コアアップデートの最中にも同じ要素をチェックすることはできますが、落ち着いてからの方が効率よくチェックできます。

Googleのコアアップデートで変動を受けたら、再評価は次のコアアップデートのタイミングになる

通常、GoogleのコアアップデートはYMYL領域(人のお金や、人生に大きくする領域)を対象に行われます。

そして、コアアップデートによって変動を受けたサイトは、次のコアアップデート時に再度変動する可能性が高いです。

そのため、「これをすればすぐに順位が上がる」といった施策はなく、急いで対応しても大きく順位が上がることはありません。

急いで対応しても、じっくり対応しても同じなら、できるだけ慎重かつ正確に対応した方が良いでしょう。

コアアップデートへの対応策は大きく分けて2つ

コアアップデートへは、以下の2つが主な対応策となります。

①企業自体の信頼性を高める
②ビッグキーワードではなく、ロングテールキーワードに注力する

①企業自体の信頼性を高める

Googleの方針は常に一貫していて、「可能な限り、信頼のおける者が発信している正しいコンテンツをユーザーに見せたい」です。

この点において、評価軸は以下の2つ。

A:コンテンツの発信者は信頼できるか?
B:コンテンツは正しい内容か?

そして、最近では特にAの「コンテンツの発信者は信頼できるか?」という点に重きを置いた評価基準になっているように思います。

この「コンテンツの発信者の信頼性」のことを、Googleは「E-A-T」と呼んでおり、重要な評価軸としています。

そのため、どれだけ内容が正しくても、企業としての信頼性がない限り、上位表示はされにくいです。

逆説的ではありますが、SEOで上位表示を狙うのであれば、サイトのみをどうにかするのではなく、「企業としての信頼性を高めること」に注力すべきなのです。

「企業としての信頼性を高める」とは?

これはなかなか難しい問いなのですが、「社会の役に立つようなことをし、その結果としてポジティブなリンクや、ポジティブな言及を受けること」が企業としての信頼性を高めることに繋がります。

率直に言って、信頼性を高める近道はありません。

「社会的に信頼される企業とは」「顧客に信頼される企業とは」の自社なりの定義を議論していただいて、その定義に近づくような取り組みをするしかないのです。

上位表示されている企業には、そういった信頼性を高めるための取り組みが数多く見られます。

近道はありませんが、強いて言うなら「上位に挙がっている企業は何をしているのか?」を分析して取り組むことが近道と言えるでしょう。

②ビッグキーワードではなく、ロングテールキーワードに注力する

2つめは、「ビッグキーワードではなく、ロングテールキーワードに注力すること」です。

ビッグキーワードとは、検索数の多い1語や2語のキーワードのことをいいます。

転職で例えるなら、「転職サイト」「転職サイト おすすめ」などはビッグキーワードです。

一方で、「最終面接 志望動機 聞かれない」のような3語、4語のキーワードをロングテールキーワードといいます(あくまで例です)。

通常、ビッグキーワードは企業の信頼性が評価軸としてより重視されています。

検索するユーザーのニーズが多様であるため、最大公約数のニーズを満たす必要があるからですね。
※言い方を変えると、無難なサイトを上位表示した方が良いということです。

そのため、「相対的に比べて信頼性が低いとみなされている企業のサイト」はビッグキーワードで上位表示されにくい傾向にあります。

一方で、ロングテールキーワードは比較的コンテンツ重視の傾向が強く、サイトの土台が弱くても上位表示できる可能性があるのです。

また、ロングテールキーワードはユーザーの悩みが深く、成約に繋がる確率(コンバージョン率)が高い傾向にあります。

まとめると、ロングテールキーワードは、

・サイトの土台(信頼性)が比較的弱くても、上位表示できる
・成約に繋がる確率(コンバージョン率)が高い

という性質があるため、SEOで狙うべきキーワードをビッグキーワードからロングテールキーワードに切り替えるのも手です。

ただし、当然ロングテールキーワードは月間の検索数が減るため、自社の商材のLTVを考慮に入れた上で狙うようにしましょう。

【推奨】SEOだけに依存しないマーケティング戦略を組み立てる

SEOコンサルの私が言うのもなんですが、SEOだけに依存したマーケティングモデルは非常にリスクが高いです。

なぜならGoogleのアップデートの内容は解明できませんし、解明できない以上、対応策の方向性が合っているかどうかもわかりません。

検索結果は、自社の意思とは関係なく、コントロールできないものです。

コントロールできない不安定な土台の上でビジネスを組み立てるのは、不安定であり、リスキーであるため推奨できません。

もし、自社のビジネスがSEO以外でも集客可能なものであれば、SEO以外の集客の柱を立てることを考慮に入れましょう。

SEO以外の集客の柱とは?

Webマーケティングの施策に限っただけでも、以下のようなものがあります。

運用型広告(リスティング・SNS・ディスプレイ広告)
SNSマーケティング(Twitter・Facebook・Instagram)
オウンドメディア(コンテンツマーケティング)
YouTube(動画)

Webマーケティングは、「人が集まるプラットフォームで発信し、ポジションを取ること」が基本戦略です。

SEOとは、いわばGoogleが用意した"検索"というプラットフォームから集客する施策。

「プラットフォームから集客する」という点においては、プラットフォームごとに戦術は違うとはいえ、検索以外でも似たような戦略が使えます。

一旦集客できれば、あとはSNS・メールマガジン・ホワイトペーパー・セミナーなどによって接点を作り、顧客のモチベーションが上がった段階で購買してもらえば売上に繋がっていきます。

「SEOしかない」と思っていても、他のプラットフォームが活用できることもあるため、今回のアップデートによって大きな影響を受けた場合は、SEO以外の集客チャネルも検討することを強く推奨したいです。

また、WebサイトはSEO以外の集客チャネルの受け皿としても機能するため、「検索以外の受け皿として活用するためには、どのようなサイトにすべきか」を検討しても良いでしょう。

まとめ

改めて内容をまとめると、以下のとおりです。

・Googleコアアップデートは1~2週間かかるため、まずは静観すること
・1~2週間経ったタイミングで、自社のサイトの状況をチェックする
・具体的な対応策としては、「企業としての信頼性を高めること」「ロングテールキーワードに注力すること」
・もっと言えば、別の集客チャネルを検討することが望ましい

コロナの影響を受けて、今後は個人・法人共にオンラインでの購買行動が増えていくことが予想されます。

そこにGoogleのアップデートも加わったことで、「集客のオンライン化」「集客チャネルの分散化」は重要なテーマになるでしょう。

今は間違いなく、企業のマーケティングの大きな転換点です。

ぜひこの機会に自社のオンラインマーケティング戦略を見直してみてはいかがでしょうか。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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