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それは「本当の味」か

「本当の味」とは、なんなのだろうか。

もしくは「真の味」「オリジナルテイスト」。

例えば、カレー。
「カレーの味」を思い浮かべると、どんな味か。

当然、カレーの味だろうがと言われるだろうが、ふと思う。
それは「個々人の記憶の中に定着した最もポピュラーなカレーの味」じゃないかと。

こう言う人がいる。
インドで食べたカレーは日本のカレーとは全く違う」と。

それもそのはず。
今、日本に定着しているカレー、それは「カレーライス」であり、当時インドを植民地としていたイギリス人が日本に伝え、さらに日本でカスタマイズされたもの。
インドのカレーとは全くの別種である。

と、なると。
「本当のカレーの味」とはなんなのだろうか。

求めたいのは「基準」である。

1kgが人それぞれ違っていたら世界が混乱してしまう。
「1kgはこれです!」とはるか昔に決めたことで、人々は安心して夜を超えられるようになったわけだ。

日本でしかタイ料理を食べたことがない人が、「タイ料理好きなんだよね」と言っているのを聞くと、失笑してしまうように。それは「日本で作られたタイ料理もどきじゃないのか」と。
あとインドカレー屋はほとんどネパール人が経営しているのでネパール人が学んだインドカレー屋じゃないのか

基準」が欲しい。(二度目)
というか知りたい!(という話)

自分は毎日のようにコーヒーを自宅で飲むのだけれども。
コーヒーってのは難しい。奥深いというとカッコつけてるので「難しい」

というのも、「コーヒーの味」を左右する要素はいくつもある。
例えば、豆から淹れるか、粉から淹れるか。豆からの場合も挽き方の粗さでバリエーションがある。
その後は、手で淹れるか、機械で淹れるか。最近のコーヒーメーカーは凄いので、素人の手入れなんかよりも美味しいかも。

……美味しいかも。
それってどこ基準?
豆を販売した業者が意図した「本当の味」を出せてる?

って、思ってしまったわけ。
今日飲んでるコーヒーは、いつも買ってる店の豆。

いつもは(かっこつけて)手で挽いてたんだけど、くっそめんどい(体力も時間もかかる!)ので全自動コーヒーメーカーを導入した。

だから今日のコーヒーは機械式。

素人作法で手挽きしたよりも美味いはず。
けど、その「美味いはずの基準」がわからないから、わからない!

だから、基準の味……つまりは「本当の味」が知りたい。



けど、店で炒ってもらった豆で淹れたコーヒーも、業務スーパーで格安で買った粉コーヒーも、味の違いがわからないので考えるだけ無駄なのかもしれない。

全自動でコーヒーが淹れられていく。そのおかげで空いた隙間。
考えるのはくだらないことだった。


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