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月報(2023年9月)

こんにちは!
今月も月報をお届けします。


コレクトラ


天空の田舎町

コレクトラの開発は引き続き順調です。
仕様はだいたいまとまっており、地道な作業がまだまだ続きます。

9月の主な進捗は以下の通りでした。

  • 前作より約200枚増えたカードマスタおよび、新機軸のアビリティ、スキルのマスタ完成

  • さらなるシーン統合による高速化

  • イラスト作成

gitコミット数は106件でした。

いたつく


横浜ゲームダンジョン版

横浜ゲームダンジョンに出展した価値は非常に大きかったです。

初めて、それなりに遊べるプレイアブルビルドを作りました。
事前にチーム内でダメ出しして、ギリギリまで粘ってごまかして仕上げました。
それをリアルな場でプレイヤーに遊んでもらって、リアルな反応を見ました。

おかげで「このゲームはこういう物」というイメージの共有ができた気がします。
同じ足場に立って話し合いができると強いですね。

一人開発よりも、チームで開発する場合こそイベントに出展するメリットが大きいと感じました。

だいぶイメージが固まったこともあり、9月末に至ってようやく全体のシナリオ構成を決定できました。
これはいけるだろう、という手応えがあります。
傑作となりうる物かと思いますので、完成を楽しみにしていてください。

gitコミット数は1件でした。

エゴサ

めちゃくちゃかわいいですね。
ゆうこんぱ様は、いたつくで「たばこ屋のお婆さん」役でも出演していただきました。(会場でとても好評でした!)

錚々たる作品と並べていただき光栄です。

戦闘BGMを気に入っていただけて嬉しいです。

ありがたし。

そういうゲームありますよね。

わかる人がもっとたくさんおるようになったらいいのになあ。

結構ダメージでかいですね。

ありがとうございます。

インディゲーム作家としてどう生きるか


現実を生きる

2022年に「カルドラシル」と「ヒュプノノーツ」のリメイク版をリリースして、2023年は飛躍を狙いつつ着実に結果を出す年にしようと計画を立てたんですよね。
現時点で計画どおりにいっていません。

「コレクトラ」
カルドラシルのプログラムを流用して工数を削減しつつ、カード枚数を追加、シナリオを面白くする、という企画コンセプト。
前作では「そもそもこのゲームは面白いのか」みたいな根本的な悩みすら議論して何年もかかりました。
続編ならスムーズです。何が面白くて何がダメだったか、把握できています。
プログラムやカードといった資産も流用できます。
「よし半年ぐらいでリリースして今度こそ割に合う利益を出して今後の活動資金を貯めよう」 → 「残念! 1年半はかかります!!」

「いたつく」
ヒュプノノーツのプログラムを流用して工数を削減しつつ、シナリオライターを外部から迎え入れて、短期間でゲームをリリースするプロジェクト。
実際には、ゲームシナリオ(特にノベルゲーム以外の長編)を書くのは特殊なスキルであり、小説などを書き上げたことがあるといった方を招いてもマッチするとは限らないですね。
あと、AI絵は普通に大変でした。
「ちょっと違和感のある神絵っぽい何か」を一枚だけ出力するなら簡単なんでしょうが、それなりの枚数の一貫性のある実用的な絵を作るのはちゃんと只事ではないです。
「よし3ヶ月ぐらいでリリースしよう。もっと時間がかかるにせよシナリオライターさんにやってもらうのでそんなに工数はとられないはず」→「がっつり入らざるをえず1年以上かかります!}

そもそもインディゲームってなんだ

たとえば3年かけて作ったゲームが200万売り上げたらどうでしょうか?
高校生なら飛び上がって喜ぶかもしれません。
しかし専業でやっている、もしくはやろうとしている大人なら流血の惨状と呼んでも過言ではないかもしれません。(なぜ他人事のように書いているのか)
金は血であり、時間は限られた若さ・・・

インディゲームというカテゴリには、色々な人がいます。

ゲーム業界への就職を目指す学生もいれば、業界で名の知れた会社でエース格だった方が退職して個人でゲームを作っているというケースもあります。

ところで、主にゲーム業界経験者らの上位層は何を考えているのでしょうか。

ざっくり決めつけると「小島秀夫さんになりたい」ということで結構当たっている人が多いと思います。
彼は「自分が好きなゲームを作って、売れて、芸術家として世界中で尊敬されている」ように見えるんですね。
食えて尊敬される芸術家、というのは、クリエイター気質の人間にとっては理想の生き方です。
でも第二の小島秀夫になる道筋って、ないんですね。
ゲーム業界でめちゃくちゃがんばって成果を出して評価されて地位を得て、かなり高い年収を稼げるようになっても、自分が作りたいゲームを作れるとは限りません。たぶん作れないですね。
桜井政博さんですら「自分の好みでゲームを企画したことはない」というようなことを動画で言ってました。
桜井さんならいつでも小島さんと同格のポジションに行けそうにも見えますが、雇い主との関係が良好な中でそういったムーブをすることもないのかもしれません。
あと、ゲーム業界以外の方だと、ZUNさんに憧れているイメージですね。

要は、食える芸術家、作りたいゲームを作って儲かって尊敬される、美しいと思う物を精魂こめて作れば、みんなも美しいと言ってくれる、そんな理想郷を目指すには、自分だけの道を見つけなくてはいけません。
その道を求める旅人が上位層の方々だと思っています。

とはいえ、よくよく周りを見回してみるとカオスです。
上に書いた、ゲーム業界に就職を目指す学生と、そこから飛び出して己の才を試している猛者の作品がイベントでは同列に扱われています。

たとえばPopさんのミリオンデプスは明らかにクオリティが高く、そのへんの素人作品とは全く異質です。

ゲームデザインをやったことがある方ならわかると思いますが、要素数が多い場合にそれをまとめ上げるのはめちゃくちゃ大変です。
あと、半円形の波紋のようなエフェクトがかっこいいです。
私は一応プログラム歴30年ぐらいなのですが、主戦場が非ゲーム業界ゆえに、このエフェクトをどう書けばいいのかわからないです。
いつか時間を作ってシェーダーの書き方をちゃんと勉強したい。

他にもXを見渡してみると、ゲームを一本もリリースしていないのに大御所のような存在感を発揮している人もいるし、Cienで支援されている若い女性の方もいます。
カオスで良いと思います。

大企業が単に低予算で作ったゲームを「インディゲーム」と言って売り出した時は私も「???」と思いました。
上位層の視点から怒っていた有力なクリエイターも結構いました。
企業としてはむしろ善意で「一緒に盛り上げよう」というつもりだったようで、ゲーム業界への就職を目指す学生みたいなインディゲーム作家の方たちにとっては、企業と接点ができて歓迎すべきことだったようでしたね。
いいのではないでしょうか。

あと、ゲームを作り始める前からのリアルの知り合いで、瞬く間に本格派脱出ゲームのヒットメーカーになった超人がいます。既に専業で食えています。

私が彼より劣っている点は何か?
「人柄」間違いない。
「グラフィックのセンス」うんそれはある。
etc…

とはいえ、まあ私が得意なこともいろいろあるんですね。
俯瞰的に見ても、ここから大きく状況を変えるチャンスは十分にありそうです。

インディゲーム開発というのは、ルールが確立されていない、スポーツからほど遠いカオスなんですね。
混沌の中で道を見つけるというのは、ある意味で脱出ゲームに似ているのかもしれません。

どう生きるか

リアルには、ネットとは別の刺激があります。
横浜ゲームダンジョンでPopさんのミリオンデプスと、HaraPeko部さんのアルティメットマウスという、総合的に良質なエンターテイメントとして仕上がってはいるがゲームとしてはあまりにも単純すぎる作品が同列に並んでいるのを見て「あ、カジュアルゲーム作ろうかな」と閃いたんです。

これまで作ったゲームがイマイチな売上で終わっているのも、マーケティングの知見が足りなさすぎる気がするんですよね。
実戦経験を積んでいきたいのですが、一本作るのに何年もかかっていると追いつかないなとも思っていました。

あと、Xにいるインディゲーム作家で、食えてるっぽい雰囲気なんだけど、何のゲームを作っているのかわからない人がちらほら視界に入るんですよね。
仮説として、あんまりアートっぽい作品を作っていない、リアル友達に薦めて愛される作品を作っていない、でも儲かっている、というケースがあるんじゃないかとも思っていました。
そういうやり方が成功するなら、実は定説に反してSNSマーケティングってあまり必要なくて、プラットフォーム上で最適化をがんばるほうが正解だったりするのかも?

小島秀夫について書いた中で「愛される」「尊敬される」という部分が実は罠である可能性も結構高いですね。小説家の森博嗣が、小説家という職業についてそう言っています。読者に好かれようとするな、と。
(あと小島秀夫さんにお会いしたことはないので、実際どうなのかは全くわかりません。見当違いのことを書いている可能性は高いです。あくまでイメージについて述べているということでご容赦いただきたいです)

自作の「ヒュプノノーツ」とか、SNSで愛されるという点では割とうまくいっていたほうかなと思っていますが・・・

まあ、この世界は謎が多すぎる。
カジュアルゲームを10本ぐらいリリースしてみたら、見える景色が変わってくるかもしれない。

あと、先日Unityの料金プランが変更になる騒ぎでいろいろな方が発言していました。
UnityのProプランで何年も課金しているであろう大物クリエイターの方もいましたし、ほぼ無課金なんだろうなあという方も多いだろうなと思いました。まあ別にいいんです。無換金でもいいと思います。
ふと思ったんです。
もしかして、私ほどUnityアセットストアに課金している人は、ほとんどいないのでは?

580個のアセットを保有、無料アセットは5個ぐらい

推定で150万円以上200万円未満ぐらいを課金しています。
ちょっとしたアセットソムリエを名乗ってもいいかもしれません。

最初に「ヒュプノノーツ」でイメージがついたので、真面目に独創性のあるゲームを作ろうとがんばっていました。
しかし、自分のスキルセットを考えると「アセットゲーをセンス良くして量産する」みたいなことが実は得意である可能性があります。

これが小島秀夫に至る道だとは到底思えないし、好きでも得意でもないことなら試す価値もないと思うんですよね。
でも、得意かもしれない。プライドなら捨てて良いです。

好きでも得意でもないことを儲かりそうだからやる、というのはまあ無駄だと思います。
たとえばずんだもん動画を作るとか(今さら儲かるのかわからないが仮に儲かりそうだとして)、自分がやる意味は皆無です。

でもカジュアルゲームは案外得意かもしれないなあ。
他の人ががんばってもできないことを簡単にできてしまいそうな気もします。
工数爆発もせずに、片手間の片手間で月2本ぐらい作れそうな気さえしますね。さすがに強気すぎるかな。
10本出したら、どうなるんだろう。
ヒュプノノーツのファンが求めている物ではないにせよ、実は全然儲からないにせよ、私は結果が知りたい。
多分そのうち続報を出します。
あくまで片手間で。


10月の開発予定


コレクトラ

  • 地道な作業を着実に進める


いたつく

  • デジゲー博に向けてというより本完成に向けての地道な作業を優先して進める

それでは皆様、良い一ヶ月をお過ごしください。
石乃浦骨董店でした。


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