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交通事故シリーズ第1弾『自賠責保険と任意保険』


いつも私のnoteをご覧いただき、ありがとうございます。

さて、今回はちょっと番外編です。

接骨院で交通事故の治療が出来るのはご存知ですよね?

その際に自賠責保険や任意保険が関係するのも何となく知っていると思います。

ですが、交通事故の治療は補償の関係や保険会社とのやりとりがあることから、院長クラスや専属スタッフが対応するなど事故に関する知識は全く無いというスタッフも少なくありません。

なので今回は自賠責保険や任意保険について一般の方にもわかりやすく解説していきたいと思います。


1、『自賠責保険』について


自賠責保険は正式には『自動車賠償責任保険』といい、車を所有している人は必ず加入しなくてはならない保険です。

法律で加入が義務付けられていて、絶対に加入しないといけないので『強制保険』とも言われています。

自賠責保険に加入していなければ『車検』に通らず、一般道の走行も出来ません。

万が一、自賠責保険が切れた状態で走行した場合は、

【1年以下の懲役】または【50万円以下の罰金】

が科せられます。

さらに、以上の刑事罰だけではなく、違反点数6点となり30日間の免許停止処分にもなります。

これだけ重たい処分ということから、自賠責に加入していないことが『ヤバい』ことというのはご理解頂けると思います。

そもそも、なぜ加入が義務付けられているのかというと、自賠責保険は自動車事故による【被害者救済】を目的としているからです。

ですから補償内容も【人的補償】のみとなり、車の修理などには適用されません。

事故によって相手の車や建物に被害が生じた場合や、自分自身の怪我や車の損害については自賠責保険の補償対象外となります。


補償の限度額も決まっており、

•傷害(ケガ)による損害は120万円
•死亡による損害は3000万円
•後遺障害による損害は4000万円


と定められています。

この補償限度額を超える損害の場合、自己負担となります。

ここで自賠責保険で賄えない範囲の損害や補償について『任意保険』で対応することになります。


2、『任意保険』について


では次に自賠責保険とは対となる『任意保険』について解説していきます。

任意保険は加入義務はなく、文字通り【任意】となっています。加入していないからといって運転できないということはありません。
(自賠責保険=強制、任意保険=自由)

ですが、自賠責保険との大きな違いは『補償範囲』の広さにあります。

自賠責保険は事故の『被害者』への補償のみでした。

相手の車や自分自身のケガや車への損害についてはこの任意保険から補償することになります。

任意保険は各保険会社や契約するプランによって補償内容を充実させることができます。では代表的な補償内容を解説していきます。

◇対人賠償保険
→自動車事故で相手を死傷させてしまった場合の補償で、自賠責保険の限度額【120万円】を超える場合に補償されます。補償金額は保険会社やプランによって異なりますので、加入時に確認してください。任意保険加入時には必ず加入します。一般的には『無制限』に補償されます。
◇対物賠償保険
→自動車事故で他人の車や家屋など、物を壊してしまった際の補償です。ガードレール•信号機•電柱•店舗なども補償の対象となります。これも『無制限』に補償されることが基本です。任意保険加入時には必ず加入します。
◇人身傷害保険
→いわゆる【人傷:ジンショウ】といわれるものです。搭乗中(運転せず車に乗っていること)や歩行中に、自動車事故で死傷した場合の補償です。過失割合に関わらず、保険金額を限度に搭乗者傷害保険とは別に支払われます。分かりやすく言うと『自分自身のケガ』の補償です。これはオプションとして選択できます。『1000万円』から設定されることが多いです。
◇搭乗者傷害保険
→いわゆる【塔傷:トウショウ】といわれるものです。上記保険を契約している車に搭乗中の方が、自動車事故によって死傷した場合の補償です。『対人賠償保険』や『人身傷害保険』とは別に支払われます。運転手の『家族や友達』がケガをした時の補償と理解しましょう。『500万円』から設定されることが多く、オプションとして選択できます。
◇車両保険
→上記保険を契約している車の損害に対しての補償です。車両価格によって保険金額が設定されます。オプションとして選択できます。
◇無保険者傷害保険
→交通事故による死傷の際に相手方が『保険非加入』の場合や『当て逃げ•ひき逃げ』のように相手が不明の場合に補償されます。オプションで選択でき、補償金額は『2億円』程度が一般的です。


上記の保険内容が一般的です。

また任意保険にはもうひとつ『等級』という制度があります。

ノンフリート契約(同一の契約者で所有台数が9台以下の契約のこと)のみにある制度で、加入時は6等級からスタートし、1年間無事故であれば1つずつ等級が上がります。

最大で20等級となり、等級が上がるほど保険料が安くなります。

無事故で安全なドライバーには保険料が安くなるという『ご褒美』みたいなものと理解しましょう。

ですが『ダウン事故』といわれる、対人•対物賠償保険、車両保険を使用する事故を起こした場合は、3等級下がり、翌年の保険料が大幅に上がってしまいます。

まとめると、

☆任意保険は事故による損害金額が自賠責保険の補償範囲を超えた場合に補償される
☆任意保険は自由に加入することができ、補償内容も自分に合った条件に出来る


この2点を最低限覚えておきましょう。


いかがでしたでしょうか。

患者さんが困って相談されたときに、さっぱり分からないでは困りますし、信用されません。

今回の内容は調べれば一般の方でも分かる内容です。

全く無知の状態からスタートする先生はまずはここをちゃんと理解しておきましょう。

ではまた次のnoteでお会いしましょう。


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