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小籠包について

食べるのが好きだ。人並みより食事にお金を使う家だったと思う。実家は海沿いの街だったからか、父が魚が好きだからか、よく海産物が食卓に並んだ。今、サザエが食べたい。


私が小学6年生の夏だったと思う。ほとんど旅行をしない家族だったが、中学に上がると部活なんかで忙しくなるから最後にディズニーランドに行こうと言った。1日目が東京観光で、2日目がディズニーランドに行った気がする。父を除いて1日目の夜にも夢の国に行ったような気がしてきた。父が自由行動をしたかったからだったような。
とにかくそんな夏に、私は母と弟と、多分浅草の、百貨店みたいな建物の上の方の、中華料理屋さんに行った。弟の機嫌が悪くなって、お腹が空いているわけではないがとにかく座りたかったんだと思う。裕福な家でないから小学生の自分が少し躊躇ってしまうくらいの値段の料理ばかりで、私たちは小籠包を頼んだ。3人で6つくらいの、多分、ひとり2つの小籠包を食べた。今思えばせっかくの旅行だからもっと豪勢に食べておけばよかったのに、遠慮したんだろうね。すごく美味しかった。


去年、母と浅草に行った時にそれを思い出して、ここかなあと入ったビルの上の方の中華料理屋さんは、コロナが原因か一昨年閉店していた。でもあそこだったな。

とにかく私は、小籠包が好き。