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情報社会を生き抜くための本2 「未来工業・山田昭男の型破り経営論!楽して儲ける」(山田昭男)


情報社会を生き抜く力で重要なのはクリティカル・シンキング。思考力が問われる時代にステレオタイプで考えていてはダメなのだ。

未来工業の山田社長の発想は、まさしくクリティカル・シンキングだ。「年間休日140日,定時退勤」「育児休暇3年」「定年70歳,年功序列が基本」「公務員同等の給与水準」「5年一度の全社員一斉海外社員旅行」「海外旅行のためにコピーは1台きり,蛍光灯のひもに名前をつけ徹底倹約」「社員旅行でクイズ50問に正解したら半年間の有給休暇を与えられる」「創業時の課長は扇風機で飛ばした紙で決めたという伝説」「徹底したコスト節減,徹底した自主管理」「ホウレンソウ禁止,残業禁止,ノルマ禁止」・・・おかしいぞ。

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社是は「常に考える」だ。あちこちにこのメッセージが貼られている。何か提案すると、どんなバカげたことでも500円が現金支給される。いいアイデアだと報奨金も出る。ホウレンソウをなくすにはどうしたらいいのか考える。日頃からのコミュニケーションを高めておけばアウンの呼吸になりホウレンソウなどなくても通ずる。海外旅行に全社員で行くにはどうしたらいいのか。考えた結果が,蛍光灯の一つ一つまで社員が名札をつけてケチに徹する。そして倹約したお金を全社員でパッと使う。ちなみに東日本大震災のときにちょうど旅行に行く5年目であった。その旅行代金を全額寄付したという。未来工業では誰もが自由に発言できることを徹底している。その自由な雰囲気の中で次々と新製品や新企画が生まれてくる。「未来工業では,“常に考える”ことしか社員に要求しません」と現社長は話す。つまり,未来工業は全社員がクリティカル・シンキングを実践しているのだ。

創業者の山田昭男社長は2014年に亡くなった。夏はじんべえ,冬な作務。社長室には全国の演劇のポスターが所狭しと貼られている。若い時に演劇青年だったのだという。グーグル社員の自由な業務スタイルが話題になるずっと前から山田の社長室は趣味の部屋になっていた。



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