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グリコ・森永事件と罪の声

 昨日、母が今年初の映画をネット配信で選びました。
「罪の声」。
グリコ・森永事件をモチーフにした塩田武士さんの小説を映像化した作品です。
 
「毒入り危険 食べたら死ぬで」
当時、高校生だった僕に衝撃を与えた関西弁の文言、
江崎グリコ社長誘拐、キツネ目の男、青酸入り菓子ばら撒きなど、事件に関する事柄のいくつかは、今も脳に刻まれています。
 
防犯カメラが当たり前の現代(日本の設置台数は500万を超えたとか)であれば、
毒入りお菓子を置くなどの犯罪は起きにくく、
昭和ならではの犯罪とも言えるのでしょう。
 
もう一つ僕の脳に刻まれているのが脅迫に使用された子供たちの声。
これが作品の核になっています。
 
気づかずに育ち、仕立屋として穏やかな日々を送っていたある日、押し入れから見つけたカセットテープで人生が急転する主人公。
一方、新聞社の中で中心的な存在の社会部での生活に疑問を抱き、格下に見られがちな文化部に移り、平穏な日々を送っていたが、この事件を追いかけることになる記者。
二方向から物語は進み、やがて二人で一緒に事件を追いかけ始めます。
 
母は、ぶどう味のチューハイをすすり、僕は漬け込んだ果物酒に使用して残った安い麦焼酎のお湯割りをすすりながら約2時間半。
物語に登場する様々な人生に自分を投影していました。
 
「えっ?小栗旬?どれ?記者?」
エンドテロップの母の一言には驚いたけれど。
 
そういえば今年は大阪から始まったんだよなぁ。
グリコの看板は遠くから眺めて終わったけどね。

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