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『今までの経営書には書いていない新しい経営の教科書』(岩田松雄)ブックレビュー

前回は『活眼活学』でちょっと知恵熱が出たため(笑)、というわけで、今回はまた岩田松雄さんの著書を読んでみました。

スタバの元社長ですな。『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』にも書いてあったけど、この方の考えた方や姿勢は本当に好き。『ビジョナリーカンパニー2』にあった、経営者としての姿勢や強い会社の作り方をそのまま実践しているかのようで、読んでいて気持ちいい。第7章までで構成されているけど、やっぱり第1章の『ミッション』への考え方と第4章の『人事』の考え方がとにかく印象的だった。この本の要旨を一言で表すなら、『経営は、ミッションの共有をして浸透させていくことが肝となり、そしてそのためには人事での採用や昇格での判断が重要である』、かな。
そのほか、本のタイトルの通り結構社長としての実践的な経営のコツが書いていって、まぁそのへんは僕はわかんないんだけど、ステージが変わった時に読むとまた面白いんだろうなと思った。印象に残ったところ、書いていきます。

第1章:ミッション

ミッション(その企業が何のためにあるのか)の明確化と共有が大切。利益はミッション達成のための手段であり目的ではない(P20)
研修や採用で繰り返し共有せよ(P26)
ミッションに従って自由に行動させれば細かなマニュアルは不要(P30)
経営判断のよりどころにせよ(P32)
ミッションとビジョンとバリューを分けてとらえよ(P50)
ミッション:使命/存在意義(登山家ならば・・・『山に登る』)
ビジョン:目指すべき方向性(登山家ならば・・・『5年後に〇〇山に登る』)
バリュー(行動指針):価値観や判断基準(登山家ならば・・・『手を繋いで登る』)
後継者育成のため、早い段階で経営の経験を積ませるべき(P57)
ミッションを繰り返し伝えることと、人事評価につなげることが大切(P60) 

ミッションの共有をしていればマニュアルもモチベーション管理もいらないわけだよね。それを人事評価につなげることで、会社の中にミッションへの信頼感が増すという好循環が生まれると。
そして意外にも、ミッション・ビジョン・バリューの3本立てはうちの会社もできている!笑

第2章:戦略立案

1対1の面談を実施。現状理解と人材の見極めに努めよ(P66)
有価証券報告書・創業者の書物・現場(実店舗)を知れ(P72)
大胆な目標(BHAGビーハグ)を打ち出し(P76)、キャッチーなワードで浸透させろ(P89)
着地の数値を予測すること。予測力こそ経営力(P93)
判断する時は①最悪のシナリオ②現状もっとも起こりやすそうなシナリオ③最高のシナリオを考えておけ(P100)
周囲を安心させるためにも半年以内にクイックヒットを出せ(P102)
縮小均衡から成長志向にかえること。ただし過度な成長スピードにならず、質を保った成長をするよう注意(P115) 

キャッチーなワードでの浸透って今、身に染みています・・・仕事での立案した戦略のタイトルが浮かばず。。。
クイックヒットについては今の常務が凄く意識していることだと感じた。あとそういえば、1on1ミーティングもうちの会社取り入れているわ。まぁまぁイケてるな笑

第3章:マーケティング

数字やデータの『ファクト』を集め、思い込みをなくせ(P125)
ブランディングにこだわりすぎてユーザー目線が失われないように(P129) 

第4章:人事

経営とは人事(P149)
数字を上げるだけでなく、ミッションや価値観にあっているかが重要(P153)
新卒は一人前になるのに10年かかるが、(1)後輩に教えることで成長(2)同期の繋がりが強い ので採用を続けるべき(P155)
「人は人を評価できない」という前提のもと、人事は原則「迷ったらやめる」(P175)
「功があった人には禄(給与)を与えなさい。徳のある人には地位を与えなさい」(by西郷隆盛) (P176)
好き嫌いで判断せず、第三者の目線を取り入れろ(P179)
給与の一律カットは経営者の無能ぶりを表している(P199)
無駄な会議はカットせよ(P200)

 西郷隆盛の名言はいいなぁ。

第5章:マネジメント

全員に対し「さん」づけをする、言葉遣いに気を付ける(『現場』ではなく『お店の皆さん』)、マネジメントレターを書き届ける、「何か困ったことはない?」と自ら訪ねて回る(P209~210)
「経営者の器以上に、企業は大きくならない」。知識やスキルだけでは人は動いてくれない。悪い情報が上がってきたとき、「よくぞ言ってくれた!」といえるかどうか(P220)
「本質において一致、行動において自由、すべてにおいて信頼」(ドラッカーも著書に記載しているキリスト教の教え) (P225)

「経営者の器以上に企業は大きくならない」―――これは響くねぇ。経営者が信頼できなかったらその部下としては矛先を失うからね。 

第6章:経営者のあり方

「企業は人なり」。新卒採用はすぐに成果が出ない投資だが、企業風土の浸透には有効(P262)
責任は自分で取る覚悟で、死ぬほど考えて決定を下せ(P264)
社長自身ではなく、会社や会社のミッションに忠誠のある人間(プロとして尊重しあい、厳しいことも指摘しあえる関係の人)を社長のそばに置け(P276)

経営にはミッションの共有が大事であり、それに基づく企業風土を盤石にするには新卒採用が大切だと。新卒として、少し思うところがあった。 

第7章:ベンチャー経営

「経営者の執念」があるか(P276)
アイディアと資金だけではうまくいかない(P298)
質を保って適正なスピードで成長せよ(P369)
会社が回り始めたら、社長の仕事は優秀な人財の採用と新規事業(P312)

 冒頭にも書いた通り、この本は経営者向けの実践的な指南書。ただ根底にあるのは当然依然読んだ『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』であるわけだから、これは両方もう1回読みたくなった。

"読書の夏”―――
現時点で読みたい本が複数ある。次はね、、、一旦ビジネス書を離れて、話題のあの芸人さんの本を買うかもだよ。


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