バブルの遺産たちが溢れる地方を再生する切り札は一つしかないかもしれない
先日、今シーズン初のスノボーへ行ってきた。もちろん女は現地調達できるという言い訳を息巻いている男四人旅だ。
今回は二人の仲間が新潟県上越の出身ということもあり、北陸新幹線、上越妙高駅から車で約30分の妙高市のゲレンデで1泊2日の旅となった。
この文章は、旅の日誌ではなく、あくまで観光にイノベーションを起こすための備忘録や、発信ツールなので、そろそろ本題へ行こう。
もちろんナンパには失敗し、男四人で楽しい夜を過ごした。
さて、私は常に旅をするときは、その観光地の良いところを拾い上げる、または悪いところを改善できないか、という点に注視しながら楽しむことを大事にしている。
だが、日本の地方は、そう甘くない。
正直に、あの街はもう終わっている。そして直近2,30年での再生は不可能だと感じた。
妙高には、ありとあらゆるところに温泉がある。
が、しかし、バブル期に無能なミーハーたちが"とりあえず"作った旅館やホテルが軒を連ねる雰囲気に、魅力を全く感じない。
そして、美味しい食事?そんなものはあるわけがない、冬以外の観光客がほぼ皆無のこの土地で、なぜ美味しい食材を集めて腕をふるう必要があるのか。と言わんばかりの手抜き飲食店の巣窟だ。
選択肢の少ない飲食店に宿泊施設、そしてその半数以上が閉業している有様だ。
肝試しにはもってこいだが、いつ崩れてもおかしくないコンクリートの塊はシンプルに危険だ。
この記事でも紹介したが、観光に置いて多様性は非常に重要だ。
まずは、飲食店のレベルアップを測るために何かできないか、という考えから、せめて冬限定でも高級食材を集め、高給取りのシェフが腕を振る舞う、そんな店を出すために、自治体の予算を使おう。
といった浅はかなアイディアは、新潟は豪雪地帯なので、飲食店の駐車場の除雪だけでワンシーズン数百万円がかかる。
という利益を出すことを不可能と思わされる課題が降ってくる。
つまり、客単価5000円以下の飲食店を運営し、大量の客を"冬限定"で呼んだところで商売は成り立たないということだ。
無理だ無理だと言っても仕方ないので、頭をひねってみた。
大丈夫だ。勝機はある。
温泉がブクブク無限に湧き出す、その目の前には使っていないリフトなんかがいくつかあったりもする。
超高所得層向けの貸切統合型リゾート施設はどうだろう。
みなさんがイメージする高所得層が止まるホテルはおそらくリッツ・カールトンとかそう言ったレベルだろう、1泊スイートで数十万円と言ったところだ。
世界の超高所得層は次元が違う、1泊数百万が当たり前の世界だ。
そんな所得層へ、20人近くが一気に泊まれて、貸切の温泉・別荘のような施設、そして貸切のゲレンデなんかを提供できる。
1泊1000万円。無理ではない、むしろ予約が取れなくなりそうな気さえもする。
ただ、これも予算を考えると実現可能性が低いようにも思える。
同じような環境でも大爆発しているニセコがまさにそれだ。予算の次元が違う。
よし、その一帯の土地を無料にして、ほしのやさんに施設を作ってもらおう。地元の若者を雇用してもらい、その費用の一部を半永久的に自治体予算で賄う。
これなら、ほしのやさんもビジネス的にメリットが出てくるだろうし、行政としても全ての課題を解決したモデルになる。
場所は無限にあるし、そんな予算くらいは観光を維持するための無駄遣いを削れば毎年5億くらいであればサクッと生み出せる。うん、俺は知っている。
気づいただろうか。日本中に素晴らしい観光資源を持った土地(温泉・ゲレンデ・食材・お酒etc.)があるにも関わらず、消滅を迎えようとしている街が多々あることを。
日本を会社に例えるなら一つの子会社が消滅するようなものだ。
まだまだ世界に通用する資源があるにも関わらず。
この現状にブレーキをかけるのでは、アイディアではなく、SNSがもつ力(権力のようなもの)だと俺は信じている。
まずは、そこからインフラ整備というこうか。
男四人の旅に残ったのは、寂しさを覚える廃れた街と筋肉痛だけでした。
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