44日目_地中海の真珠【エジプト/アレクサンドリア】
3/9(木)
今日も朝から仕事を進める。
時差でどんどん朝が遅くなるので、6時とかに起きてしまう。
朝の集中をふんだんに使い、できることをすべて終えてからアレクサンドリアの街を見に行った。
カーイト・ベイの要塞
カーイト・ベイの要塞といえばというアレクサンドリア随一の観光名所である。
元々世界七不思議でもあるアレクサンドリア大灯台の跡地に建てられた要塞だ。
アレクサンドリア大灯台
なんと紀元前に建てられたこの灯台は120m以上の高さを誇り、50km先からも見ることができたという。
鉄骨などの建築技術がない紀元前に、ただ石を積み重ねて100m超えなんで、とても信じられないような話だが、ピラミッドを見た直後なので、私の中でも信憑性はかなり高い。
残念ながら地震(諸説あり)によって倒壊してしまったのだが、このカーイト・ベイの要塞はその灯台の材料を流用しているという。
なんとも夢のある話である。
これが旅のロマンだ。
昨日からUberを使うことを覚えたので、海沿いを少し散歩したあと、タクシーで向かうことにする。
初のUber乗車
初めてだったので手続きとかの流れがわからず不安だったが、乗って降りるだけだった。
25epb(110円)と激安。
なんて便利なんだ。
タイで使おうと思ったときは日本の電話番号でのSMS受信が必要とのことで諦めていたのだが、もっと早く使いたかった。
要塞というだけあって、当たり前だがかなり堅牢で、迷路のようになっていた。
気温は20℃前後でとても快適だった。
地中海の真珠と呼ばれるアレクサンドリアだが、そう形容するのも納得である。
白い石と眩しい太陽が地中海にいるという実感を強くさせた。
コム・エル・シュカファのカタコンベ
さて次の目的地へもUberを利用する。
数分待って乗車。
なんて便利なんだと思っていたら、ドライバーが「道が分からなくてたどり着けない!どこに行きたいんだ!」と叫んできた。
やれやれ
やれやれなのはこちらなのだが、何故か運転手が頻繁に「やれやれ」のポーズをするのがめちゃくちゃ気になった。
あの手のひらを上に向けて揺らすやつである。
ハンドルを切る合間に右手だけ1秒くらい「やれやれ」をするのだ。
しかも「やれやれ」の回数がすごい。
1分の間に2〜3回は「やれやれ」をするのである。
思わずため息が出るが、運転手はもっと大きなため息をつきながら「さっきから同じところをぐるぐるして全然近づかない!」と怒っている。
もう降りてくれ
15分くらい走った後、運転手は諦め顔でそう言った。
もちろんそうしたかったのだが、Uberの仕組みがわからない。
途中下車というかキャンセルというか、そういう機能はついているのか。
普通に全額決済されるのだろうか。
後者だと嫌なのでドライバーを励ますことにした。
「大丈夫だよ!最初の位置からこんなに近づいている!あと少し行けばほぼ道なりだよ!」
そんな風におだてたり道案内をしたりしながらようやく到着。
当初の予定では15分くらいで到着するのだが、30分ちょっとかかってしまい、なんだか気の毒になってきた。
ややこしい所までありがとう。
いざ入場
そもそもカタコンベとは、地下にある墓地のことらしい。
ここでも地下への螺旋階段があり、そこを降りていくと入れるようになっている。
中はまるで迷路のように広がっていて、明かりがついていても少し怖さを感じた。
この旅を通して歴史というのはとても大事だったんだなと感じる。
少し本腰を入れて勉強しようと思った。
そして空港へ
アレクサンドリアの空港はボルグ・エル・アラブ国際空港である。
タクシーで50分くらい。
例の如く時間に余裕を持って到着したのだが、チェックインカウンターが開くまで、空港への入場ができないらしい。
仕方なく外の待合室みたいなところで待つ。
時間が来たので空港に入ると、それも納得、めちゃくちゃ狭いのだ。
仕組み
まず空港に入った全員が荷物検査を受けて奥のエリアに入る。
そこでチェックインなのである。
この目に見えている部分だけがフリーゾーンで、後は手荷物の列に並ぶしかない。
本当にコンパクトな空港だ。
手荷物が終わったらチェックインカウンターへ。
20×25×40という驚異的な小ささの手荷物しか持ち込めないので仕方なく持ち込みプラスバウチャーを購入していたのだが、特に手荷物の確認をすることなくチケット発券をしてくれた。
そして更に手荷物検査。
ここは空港の職員による検査なので、中身がパンパンで規定より2kg重い12kgくらいあるとバレても大丈夫だ。
しかしここで思わぬ出来事
荷物検査をしてくれないのである。
「後ろも並んでるし、早くしてよ」
そう言っても何だがニヤニヤして始めようとしない。
「おい、わかるだろ!あれだよあれ!」みたいなことを言ってきてピンときた。
「バクシーシ」だ。
バクシーシ
バクシーシとは、チップのようなものだが、厳密には違うもの。
持てるものが貧しいものに施すのは当然という喜捨の考えだ。
なんかチップみたいなのはこちらからの気持ちという印象だったが、こんなに堂々と要求されると笑ってしまい、余っていたエジプトポンドを渡した。
なんだが新鮮だったので嫌な気持ちにはならなかった。
このあとラウンジに行ったが、野菜がなかったことのほうが辛かった。
今回の飛行はこんな感じ
3/9夜、アレクサンドリアからイタリアのミラノへ
深夜、ミラノのマルペンサ空港からベルガモ空港へ自力で移動
3/10朝、ベルガモ空港からニューカッスル空港
空港泊ですらないので、飛行機で寝たりバスで寝たりしてしっかりと体力を温存したい。
承太郎なのかも
あと、ここまで書いてみて初めて気付いたことなのだが、あのタクシー運転手はもしかしたら空条承太郎の真似をしていたのかも知れない。
ご存知エジプトはジョジョの奇妙な冒険第三部、スターダストクルセイダースの舞台である。
その主人公である空条承太郎の口癖が「やれやれだぜ」なのた。
粋なタクシー運転手が日本人観光客へのサービスのつもりであんな仕草をしてたのかもしれない。
そう考えるとなんだが心が晴れるというか、昨日のあのイライラがなくなる気がする。
ありがとうジョジョの奇妙な冒険!
つづく
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