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「代表で抜ける選手もいる。チームでまとまって動ける時間はないので、あのタイミングしかないと思った」。惨敗直後のピッチで、中村憲剛が円陣を組んだワケ。/ ワンポイントレビュー:リーグ2nd第10節・柏レイソル戦:2-5

 等々力陸上競技場での柏レイソル戦は2-5の敗戦。

この柏戦に臨むにあたって、中村憲剛はこんな警鐘を鳴らしていました。

「チャンスをどれだけ決め切れるか。浦和戦は向こうが外したし、こっちが決めただけ。逆の結果になってもおかしくなかった。夏場は一撃必殺じゃないけど、1点取っただけでも変わるので」

 天王山だった前節の浦和戦は素晴らしい結果でした。巡ってきたチャンスは多くはなかったものの、その少ない決定機をしっかりと決める。守っては、決められていてもおかしくなかった場面を我慢強く耐え凌ぐ・・・選手たちの勝負強さを感じる勝ち方でした。
 
 しかしこの柏戦では開始5分の時点で、相手に与えた2回のピンチから2点を奪われる展開。それも、相手にうまく崩された形というよりも、セットプレーと自陣でのボールロストから招いた、言ってしまえば、どちらも防げるはずの2失点でした。

 この2失点でゲームプランが大きく狂ったのは確かです。でもそこから巻き返すだけの時間とパワーはあったはずですが、うまくいきませんでした。なぜうまくいかなかったのか。今回のレビューでは、そこを中心に分析しております。

ラインナップはこちらです。

1.「なんで後半のようなプレーを前半からできなかったんだろうという思いもあります」(車屋紳太郎)。勝敗に直結した左サイド問題。伊東純也に先手を取られた原因を検証する。

2.「それが逆にリズムを作れなかったのかもしれない」(谷口彰悟)。テンポを欠いたビルドアップと、悪すぎたボールの失い方の背景にあったもの。

3.「前半は、なかなか幅が見えなかった」と語った車屋紳太郎。柏守備陣を攻略するためのサイド攻撃が機能しなかった理由とは?

4.8月はわずか1ゴール。「あれを俺じゃなくて、誰かがやって欲しい」と話す大久保嘉人が訴え続けている攻撃の問題点とは?

5.「代表で抜ける選手もいる。チームでまとまって動ける時間はないので、あのタイミングしかないと思った」。惨敗直後のピッチで、中村憲剛が円陣を組んだワケ。

 ポイントは5つ。
今回は約9000文字。過去最高のボリュームとなりました。この敗戦をしっかりと受け止めて消化したい方に向けて書いた内容です。「負けた試合は早く忘れたい」という方はスルーしてくれて構いません。

なおプレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ2nd第10節・柏レイソル戦)


では、スタート!

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