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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第34節・浦和レッズ戦)

11月3日は等々力陸上競技場で浦和レッズ戦です。

 優勝がかかった一戦となります。
ただし、勝てばその瞬間に優勝が決まるわけではありません。もし勝っても同時刻にキックオフされる2位の横浜・Fマリノスの結果待ちとなっています。

 その条件は、フロンターレが勝って、マリノスが引き分けるか、負けること。あるいは、フロンターレが引き分けて、マリノスが負けること。少しだけ複雑ですが、勝ち点1差以上をつけることが条件なので、フロンターレの試合結果を下回る結果でマリノスが終わると、その時点で優勝が決まると覚えておけば大丈夫でしょう。

 直近の公式戦となった天皇杯・鹿島アントラーズ戦から試合まで1週間のインターバルがありました。

 この1週間の動きでいえば、10月30日(土)ですね。さいたまスタジアム2002でルヴァンカップ決勝が開催された日でしたが、報道陣に練習が公開されたので、麻生グラウンドに足を運んできました。

 11月3日に優勝が決まる可能性が出てきた中、どんな雰囲気でトレーニングに励んでいるのか。

 もちろん、トレーニング内容も気になるのですが、それ以上に、鬼木監督がどんなことに目を配って指導しているのか、選手それぞれがどんな表情で練習に取り組んでいるのか。そっちの方を観察してしまいましたね。じっくりと見学させてもらいました。

 
「優勝したことで、日頃の取り組みが確信に変わる。それが空気感やクラブの雰囲気を作る」

 これは、昨年引退した中村憲剛さんが言っていた言葉です。

 当たり前ですけど、試合で発揮できるものは、どれも練習場で作られています。日々の練習でどれだけのものを作れるのか。王者と呼ばれるようになった川崎フロンターレが、試合のピッチで表現しているものの原動力は、この麻生グラウンドにあると言っても過言ではないぐらいです。この浦和戦でもそれをしっかり表現してほしいと思います。

 優勝がかかった一戦ですから、選手はいろんな思いがあるでしょう。プレッシャーがあることで、ボールコントロールなどプレーのデリケートな部分には少なからず影響があるかもしれません。そこで、どれだけいつも通りにやれるかどうか。そんな部分も問われる一戦になるはずです。

先日、「イチロー実録 2001-2019」(文藝春秋)を読んでいたら、彼がマリナーズ時代に感じた王者ヤンキースを評したこんな言葉が紹介されていました。

「ヤンキースは特別な試合で普通にプレーできる。これが彼らの武器でしょう。決して特別なことを仕掛けてくる訳ではなく、相手を考えさせたり、相手を勝手に変化させてしまう」

 王者に対しては、どの相手も対策を練ってきます。しかし、だからと言って、王者は特別なことはしない。むしろ、いつも通りにやる。相手に考えさせることが、相手から相手らしさを奪うことにも繋がるというわけです。だから、フロンターレにも、自分たちの等々力でいつも通りにやって欲しいと思いますね。

そして、この浦和戦ではどんなポイントがあるのか・・・・本文では、その見所をしっかり語っていきます。

なお、直近の天皇杯・鹿島戦のレビューはこちらです。→「キオクを超える未来へ」 (天皇杯準々決勝・鹿島アントラーズ戦:3-1)

こちらはリーグ戦の前節・清水戦です。→「走れ正直者」 (リーグ第33節・清水エスパルス戦:1-0)

優勝のかかったプレビューです。では、スタート!

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