いしかわごう
まだ足りないもの。そして、それでも頭を高く上げるということ。(リーグ第29節・ガンバ大阪戦:2-2)
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まだ足りないもの。そして、それでも頭を高く上げるということ。(リーグ第29節・ガンバ大阪戦:2-2)

いしかわごう

 パナソニックスタジアム吹田でのガンバ大阪戦は2-2。

試合後のミックスゾーンで選手を取材していると、その試合をどう捉えるべきかが難しい時があります。

 この試合がそうです。
試合だけを冷静に見れば、先制点を許したとはいえ、田中碧をアンカーに配置した4-3-3にした後半のシステム変更が功を奏し、一時期は逆転に成功しています。後半に講じた鬼木監督の交代策が機能した展開だったという見方もできると思います。

 ただ実際にプレーしていた選手たちの言葉を借りれば、あれは前半のうちにピッチにいる自分たちで解決方法をはじき出さなくていけない45分だった、という見解なんですね。監督が施したシステム変更という「外からの変化」でゲームを動かすのではなく、選手たち自らの「中からの変化」でゲームを動かさないといけなかった。

「僕たちがもう少し立ち位置を含めて、後半のように立てれば違ってきた。そこで変えられる臨機応変さがなかった」(大島僚太)

「うまく行かないときに自分たちで変えられるように。前半もチャンスを作っているときは、自分たちが形を崩しながら出し、相手を見ながらやってるときは、前半でもチャンスは作れていた。前半からシステムは違うけど、人の立ち位置とかを自分たちで判断しながらやるという臨機応変さがほしいなというゲームだったと思います」(中村憲剛)

 ピッチ上の監督とも言える二人は、奇しくも「臨機応変」という言葉を使って反省の弁を述べています。こんな感じで、それぞれが自分たちの立場で自分に矢印を向けながら反省している・・・・そんなことを感じるミックスゾーン取材でした。

では、今回のレビューです。ラインナップはこちら。

1.「相手はこっちを研究していたと思う」(中村憲剛)。試合の構図を決めた立ち上がりの失点はなぜ起きた?狙いどころを定めて仕掛けて先手を取ったガンバの研究を探る。

2.「失点して、自分たちが試合の中で解決策を見出そうとしていたが、窮屈な感じもあった」(車屋紳太郎)。うまく閉められていた3ボランチの「脇」をどう攻略するのか。呼吸が合わない中央と、窮屈だった左サイド。ゆえに右サイドから見せた打開策と意外性。

3.「中盤のスリーセンターをどう走らせるのか。届かないところに人が立つことで、それで相手も困っていた」(中村憲剛)、「ダミアンが競った後というのは狙っていました」(大島僚太)。ガンバ守備陣を悩ませたアンカー・田中碧の〔4-3-3〕システム。鮮やかな逆転劇の要因となったシステム変更の狙いとは?

4.「ちょうどカウンターに出ようとしたところだったので、難しさもあったかもしれませんが、そういうところだと思います」(車屋紳太郎)。「そこのシビアなところというか、システム変更で良いことと悪いことが起きる」(中村憲剛)。悔やまれる逆転直後の同点弾。そしてスクランブル態勢によって露呈した、まだ足りないもの。

5.自信をなくしそうな時ほど、頭を高く上げる。

以上、5つのポイントで冒頭部分もひっくるめて全部で約10000文字です。なかなかどう消化するべきか難しいゲームでもあったと思います。そこをうまく整理する助けになれればと思います。週末にはすぐにルヴァンカップのファイナルが控えていますからね。

プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第29節・ガンバ大阪戦)

ちなみにこちらのレビューは、先週もっとも多く読まれた記事の一つだったそうです。読んでくれた皆さん、ありがとうございました→「電気が走ったよ」。五ヶ月ぶりに共演した中村憲剛と大島僚太が過ごした、濃密な30分。(ルヴァンカップ準決勝2ndレグ・鹿島アントラーズ戦:0-0)

では、レビュースタート!

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まだ足りないもの。そして、それでも頭を高く上げるということ。(リーグ第29節・ガンバ大阪戦:2-2)

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サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書は「将棋でサッカーが面白くなる本」、「川崎フロンターレあるある1&2」など。「サッカー脳を育む」、「サッカー上達のためのマインドとメソッド」など中村憲剛の著書の構成も担当。