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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第11節・浦和レッズ戦)

5月3日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで浦和レッズ戦です。

 川崎フロンターレは勝ち点9で現在16位。5試合勝ちのない状態で、順位的には降格圏内に近いのが現在地です。しかし今季のJ1リーグは、10試合を終えて独走するチームもいなければ、ほとんど勝てないチームもなく、シーズン序盤では珍しいほどの混戦状態となっております。

首位のセレッソ大阪を見ると、勝ち点19とまだ10差です。「すでに10差も離れているのか」と考えるか、「まだ10差しか離れていない」と考えるかは人それぞれかもしれませんが、今年はリーグ戦が38試合ありますからね。勝ち点差10というのは、具体的に言うと4ゲーム差になります。まだ28試合残っている時点で、4ゲーム差に絶望するなんて、さすがに早すぎます。

 選手はどう思っているのか。
浦和戦に向けて、オンライン取材に対応したGK上福元直人は「個人的な解釈ですけど」と前置きした上で、こう述べています。

「優勝を目指してプレーするということが当たり前になって、そこを目指してサッカーしてないと、それ相応の温度感になると思います。それ相応の強度になったりと、90分間でそういう部分が試合で現れると思うので」

 彼は川崎フロンターレでプレーするまでに、いくつかのクラブでゴールマウスを守ってきています。2022年には京都サンガF.C.で、J1参入プレーオフ決定戦でゴールマウスを守って、劇的な残留。21年の徳島ヴォルティス時代にはJ2降格、20年には東京ヴェルディ時代にもJ1参入プレーオフに出ています。

 言ってしまえば、クラブの未来がかかったような修羅場のゲームを何度も経験しているわけで、そういうキャリアを持っている彼が口にした、チームがどこを目指すかによって「それ相応の温度感になる」という言葉には実感がこもっていました。つまり、順位表の下を意識してサッカーをする空気感を受け入れてはいけないのだと思います。

 ではチームを束ねる指揮官はどうなのか。
答えは言うまでもありませんよね。鬼木監督は、明確に言い切ります。

「僕は常に上との差しか(選手に)話さないですし、自分自身が下のところを見ればチームというのはそういうところに意識が行くと思ってます。自分が上を見続けることでチーム全体がやっぱり上を見ると思ってます。それはもう自分が監督やり始めた時から、どんな状況でもそれしか考えていないので。もちろん、人間ですので、近い順位のところを見たくなる気持ちもわかりますけども、選手だったり、スタッフだったり、いろんな自分たちの周りの人たちは、常にそこではなくて、一番上を見ながらやっていかなきゃいけないと思ってます。そういうグループであるからこそ、そこにたどり着けると思ってます」

 ただ、上を見続けていくためには勝たないといけません。チームは現在5試合勝利なし。だからこそ、ここで勝ちたい。そのためには、何がポイントになるのか。ピッチ上のあれこれは、プレビューでたっぷりと語っていきたいと思います。

ラインナップはこちらです。


なお前節広島戦のレビューはこちらです。後日取材による追記もあり、全部で約16000文字のボリュームです。まだの方はぜひどうぞ。

では、プレビューのスタートです!!

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