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「戦術的なところもあるけど、基本的なことができていないと、戦術うんぬんも成り立たない」(田坂祐介)。ピッチ上の分析だけでは読み取れない問題の本質。自分たちの意思を発しなかった90分は、なぜ起きた?(リーグ第9節・セレッソ大阪戦:0-2)

ヤンマースタジアム長居で行われたセレッソ大阪戦は0-2で敗戦。

過去のセレッソ大阪戦を振り返ると、殴り合いのゲームになることも珍しくありません。

 ただこのゲームは、前半から殴る側と殴れられる側がはっきりした試合になりました。そうなった場合、普通に考えると昨年優勝争いを演じたフロンターレが殴る側になり、今年J1に復帰を果たした昇格組のセレッソが殴られる側という構図になりがちです。

 しかし試合が始まると、ピッチで展開された構図は真逆でした。GKチョン・ソンリョンの踏ん張りもあり、なんとか前半は無失点でしのいだものの、前半だけで2〜3点を取られていてもおかしくなかったかもしれません。そのぐらい、フロンターレが殴られ続けた前半でした。

 後半になってもその構図は大きくは変わらず、終わってみれば、力負けした90分でした。ピッチ上で起きていた問題点であったり、パフォーマンスが良くなかった選手について指摘するのは、映像で見直してみると、それほど難しいことではありません。しかしこのセレッソ戦に関して言えば、それは表面的な指摘に過ぎない気がしました。原因の本質はもっと深いところにあるように感じたからです。

 なのでオフ明けの5月2日の練習後に、選手に話を聞いてみました。この日にリカバリー後は、主力組がピッチで円となって30分以上、小林悠を中心に青空ミーティングを行っていました。みな何かしら思うことがあったようです。

今回のレビューでは、そのへんも含めて書いております。ラインナップはこちらです。


1.中村憲剛、エドゥアルド・ネット、大島僚太。3人のゲームコントローラーの同時不在により、問われたチームの設計図。

2.「流れは自分たちでもってくるもの」。PKを外した直後にこそチャンスだと思う、したたかさを。

3.「戦術的なところもあるけど、基本的なことができていないと、戦術うんぬんも成り立たない」(田坂祐介)。ピッチ上の分析だけでは読み取れない問題の本質。自分たちの意思を発しなかった90分は、なぜ起きた?

4.オフ明けの選手ミーティングを終えて、奈良竜樹が抱いた強い覚悟。「せっかくこれだけの技術があって、みんなを虜にできるサッカーができるんだから、あとはそういうところが埋まれば、届かなかったものに届くはず」。

 以上4つのポイントで約6000文字です。今回のレビューは、いつもとは少しテイストを変えておりますが、読み応えは十分です。

なおプレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第9節・セレッソ大阪戦)


ではスタート!

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