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若手メンバーの学びを伝えるマガジン vol.5【コミュニケーションを欠かさない】

こんにちは。石川樹脂工業です。
こちらのマガジンでは、若手メンバーの「気づき・学び」をお伝えしていきます。

今回の若手は入社3年目のメンバー。エンジニアリングから採用広報、取引先との営業まで多岐に渡る業務を担当する彼の、日々の業務の中での気づきを教えてもらいました。


わたしの仕事

入社してから初めのうちは、工場に自動設備を導入するエンジニアとしての業務がメインでした。例えば人間の作業を削減するための6軸アームロボットの導入や、ロボットが製品を把持するためのハンドの設計開発です。しかし現在、私の業務は単に工場の効率化に留まりません。会社で働く人々とコミュニケーションを取り、各現場に転がっている課題を見つけ解決してゆくことが増えてきました。

最近取り組んだ業務に、勤怠管理システムの自動化プロジェクトがあります。従来はタイムカードに打刻された労働時間を手作業で集計していたところを、Googleツールや打刻ソフトを用いることで自動集計できるようにする、というものです。
ここで直面した壁は、①社内の労務規定など制度の理解 ②社員の皆さんごとに異なるデジタルリテラシーを鑑みたシステムの提案 の主に2つでした。

壁①: 労務規定を理解する

石川樹脂工業には、8:30-17:30を定時とする日勤帯勤務の社員さんと、週ごとにローテーションする三交替勤務の工場作業者の方がいます。これらを同一のシステムで管理するためには、それぞれの勤務時間帯における特徴と集計すべき場合を全て理解する必要がありました。日を跨ぐ勤務時間や、深夜手当が発生する22時から翌5時までの計算方法、振替休日の取得などです。
労務管理を行う総務部のメンバーへヒアリングと議論を重ねるなかで、場合によってはシステムを優先するため社内制度を変革しながら、システムの構築を進めていきました。
今回のシステムで集計作業が自動化されることもあって、残業時間を1分単位でカウントすることができるようになりました。

壁②: ユーザーファーストで考える

どれだけ練り上げたシステムも、使って(使い続けて)もらえなければ意味がありません。石川樹脂工業にはデジタルツールを使い慣れた若いメンバーから、ガラケーを基本デバイスとしている方まで、幅広い年齢層の社員さんが在籍しています。したがって必然的にバラバラな皆さんのデジタルリテラシーを観察し、誰もが使いやすい方法を提案する必要がありました。
これまで出退勤の時間を記録していたのは紙媒体のタイムカード。「手をかざして出退勤を記録する」ことは容易であると考えたため、日々の基本的な打刻にはICカードを導入しました。
また有給休暇の取得や出張、リモートワークなどイレギュラーな勤務に関してはGoogleフォームを使ってもらうことにしました。ここで懸念されたのは「スマホやPCを使った入力に慣れておらず、抵抗感さえある」という方への配慮です。

そこで彼らとよくコミュニケーションを取っている社員さんにアドバイスをいただいて、

  • 入力項目を最小限にして文字を打つストレスを軽減する

  • 「わかる!」まで隣で作業を見て、慣れてもらうまでレクチャーする

  • 入力したものを確認できるツールを作成し、自身でミスに気づくことができる仕組みをつくる

の3点を徹底して行った結果、数ヶ月で全ての社員さんがほぼミスなくGoogleフォームによる記入ができるようになりました。

システム開発を通して見た、石川樹脂工業

石川樹脂工業は、随所で新旧が入り混じった会社です。アームロボットを用いた先進的な成形ラインが工場に立ち並ぶ一方で、生産管理・在庫管理の場面ではまだまだ紙媒体が主流だったりなど。

そんな現場の状況や様子は、さらりと眺めただけではなかなか見えてくるものではないように感じます。実際に勤怠システムを作ってゆく時にも、システム導入によって変わる制度や不都合を抱える人について知るためには、「目を見て、話す」ことが不可欠でした。

先にも書いたように、自動化されゆく現場においても、それを使って何かを感じるのは作業者であり人です。我々のようにエンジニアリングによってコミュニケーションをとるような人間は、能率と同じくらいに「実際に使う人がどうか?」を慮ることが大切であると強く思いました。

またそれは、AIと共存する社会における人間の価値なのではないでしょうか。ChatGPTなど生成系AIをうまく使いこなす人のプロンプトほど、網羅的で現状(=現場の状況)をよく理解しているように見えます。
私も、自分の置かれた場所や状況を温度感もって見つめることを忘れないように、仕事に取り組んでゆきたいです。


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