仏さまのお名前

あまりよくない気持ちを抱いてしまったとき、「◯◯菩薩(さま)!」という言葉が浮かぶときがある。
罪悪感を抱いたとき、小さな仏さまが現れ戒めてくださるようになってきたのだろうか。

仏さまのお名前は単なる名前ではなく、それ自体を短い魔法の言葉のように思うようになってきた。
数文字の中に、その仏さまがくださるよきものだけでなく、我々がよくない行為と捉えているさまざまな 人間あるある も包含されているのではないかと感じる。その名を思い出すだけで、少しずつ行いを正していく力をもらえるような感じがする。

仏教に限らず、大切な人や尊敬している人の名前を思い浮かべると力が湧いてくる。名前を呼ぶことは単に記号として相手を指し示すことではない。呼ぶこと自体に喜びがある。相手を振り向かせるために呼ぶというよりも、自分の心の中にその存在を呼び起こし、称えるためにその名を呼ぶ。

スタローン!
ドラえもん!
人間椅子!
〇〇くん!

仏さまの名を小さく叫ぶとき、今まで幾度となく繰り返してきたこんな瞬間も思い出す。

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