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不易流行|災害ボランティアの新しいカタチ|2022.2.6

 阪神・淡路大震災から27年。驚いたことに「防災」という言葉自体もこの災害以降に生まれたのだという。この災害は「ボランティア元年」とも呼ばれ、災害ボランティアというイノベーションが広がる大きなきっかけとなった。今ではさまざまな専門性を持つボランティア団体が被災地で活躍し、復興に欠かせない存在になっている。阪神・淡路大震災は137万人。東日本大震災では200万人。熊本地震には12万人の市民がボランティアに参加した。

 災害現場で驚くべき人に会うことがある。▶︎軽ワゴン車に食料や水、寝袋などの生活用具を積み込み、助ける相手側からは力を借りないことが信条。スーパーシニアボランティア。日本全国有事があれば必ず駆けつけるシニアの存在は今後ある主戦力の一つの流れになる。▶︎重機のストックや扱える人材をストックしている団体 ▶︎普段は書道家で、何かあれば自分で寄付金何百万を集めて復興の流れが見えるまで現地を助け続ける人 ▶︎フードトラックで元々流しの全国移動型珈琲ショップを営み、災害時は、昼間はボランティア、夜は街に出て珈琲ショップを営む人 ▶︎避難所や、仮設住宅でとにかくただただ人の話を聞く人 ▶︎沖縄に住む一匹狼は機動力が最も早く、発災直後から町が平穏を取り戻すため、自治体やみかん農家やりんご農家を支え続ける…小生からみると、まるで発明家のようなライフスタイルを紡ぎ出す人々がいる。課題こそイノベーションを産むのだ。

 一方「ボランティアの善意に頼りすぎているのではないか」という指摘も聞こえてくる。ボランティアの先進地と言われる ▶︎ドイツではボランティアに対して国が宿泊費や食費、手当を支給する ▶︎フランスでも手当を支給する ▶︎イタリアは交通費などの実費を支給している…など、いずれもけがをした場合などの補償を国が負担する仕組みを持っている。さらに日本では企業のボランティア休暇の導入や利用が低迷しているが、イタリアでは社員が有給休暇をとってボランティアに参加した場合、国が企業に給与分を補填している。被災者の支援は国の責任で、行政の手の届かないところ、行政の対応がなじまないところを市民のボランティアに担ってもらう、という考え方がベースにあるからだと言われる。
 
 そんな中「WAA ReSCue」という新しい形を構想中だ。災害時の情報支援人材を被災地の災害対策本部や避難所に送り込み、マッチングや作表、ファンドレイジングなどの作業を全国2500名以上いる情報リテラシーの高い人に作業を配分する。被害が大きい自治体は、自治体職員さえも家に帰れば被災者だ。それを助ける人材として機能することになる。ワーケーションとウェルビーイングを得意とする「TEAM WAA!」と災害時のノウハウとネットワークを得意とする「助けあいジャパン」が連携し、2022年いくつかの実証実験を重ね、準備を始める。実費の問題や休暇の問題も解決していくつもりだ。まずは、3月静岡県南伊豆町から。南海トラフが起これば、必ず陸の孤島になる自治体。社会課題は解決する、きっと。

参考資料
「阪神・淡路大震災27年~ボランティア 新たな課題」(時論公論)
【いまできること】「スーパーボランティア」尾畠春夫さん、被災地で語る
南伊豆町 防災ページ
TEAM WAA!
助けあいジャパン


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