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泰平

恒例のサウナしきじに蒸されに出かける。

小籠包のようにホカホカに蒸されてサウナ室を出るなり雨の日に田んぼに跳ねていくアマガエルのようにキャッキャと水風呂に飛び込む(もちろん充分にかけ湯した後ね)その極楽のサイクルを繰り返していると、

蒸し蛙 負けるな ISSA
(俺の行く末密かに暗示する人Honey!)


などという小林一茶の俳句の改変(?)が頭に浮かんで、ずっとDA PUMPがエンドレスで脳内再生されて参った。

更にサウナ→水風呂→休憩→サウナというサイクルを繰り返し、椅子に深く座って浴室の壁の時計の針が回っていくのをぼんやり眺めているとだんだん極彩色の風景が広がってきて、嗚呼、ニルヴァーナって静岡にあったんだ、意外にも!と突如何かが降りてきた感で幸福感に包まれる。

そんな多幸感に浸りつつ、両替町へ。

ここはメニューに金額が書いてない店。

流石に初見には怖気付く敷居の高い店だが、その実、そんなには、あくまでもそんなには、だが、高くはない。ま、安くもないが。


瓶のサッポロを頂き、店内の賑やかな喧騒を肴にお刺身などつまんでみる。

次は煮込みでも頂きましょうか、とカウンター越しに注文すると
「おひとりでしたら少なめにしておきましょうか」
とお気遣い。
ヒトリノミしかしない身には有難いんですよ、こういうの。

静岡にはいいお店しかない。

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