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おばんざい りこ

なんかGEENに載っていた写真とだいぶ違うなぁ、と思っていたら、それを機敏に察したのか「歯が抜けてるから!恥ずかしい!あまり見んとって!」と恥じらう姿がなかなかアレだ。可愛い?のかな?まあ、そう言うことにしておくか。
地方タウン誌の編集部にもフォトショップ効果の功罪が。

ビールの小瓶を出してもらって、カウンターの上の大皿料理、手羽大根を頂く。
屋号は女将さんの名前なのかと思ったらお孫さんの名前なんだって。のべつくまなしに徳島弁でまくしたてられて色々説明されたが、まあ、だいたい半分くらいしかわからなかった。

もう一杯何か貰おうかな、とメニューを見たら、すだちハイボールというのがあったので、せっかく徳島だし、とそれを注文してみたら、徐になにやら後ろの戸棚や引き出し、冷蔵庫の中を独り言を言いながらごそごそし始めたので、これはちょっとまずいものを頼んじゃったかな、とやや後悔。でも面白そうだったのでそのまま待ってみた。

謎のタッパーとかなにやらラベル剥がしたペットボトルとかいろいろ沢山出てきて、おいおい、と思うが、むしろ怖いもの見たさで興味が出てきた。

「これ、美味しいから、ちょっと飲んでみ」とグラスに少量の液体を注ぐ。
一口飲んでみると確かに酸っぱいけれどあきらかにすだちとかではないな、これ。「気に入ったら、そこに焼酎入れて割ってあげるから」と。ま、いいけど、すだちハイボールどこいった???

客がひとりだけで暇だったせいもあるのか、若い頃の話とか、この店を出すまでのいきさつなんかを教えてくれて、飲んでいる間ずっとお話し相手になってくれた。いや、こちらがうんうん、と聞き役になっていただけなのか、それはよくわからん。いずれにせよ非常にスリリングに楽しいお店だった。好意的に言えば。だって変なこと言うとすぐ機嫌損ねそうなんだもん(笑)

「またおいで、金曜日にはカレーがあるから」と育ち盛りの若者に言うような誘い文句で送り出される。

面白い店だったなあ。

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