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呉の屋台村

「おにいさん、観光客?」
境川沿いの蔵元通り、市役所前。夕闇にあたりが包まれた頃から屋台が並び始め、灯が灯る。呉の屋台村だ。

ちょいと暖簾ならぬ、テントのビニールシートを持ち上げ、席が空いてるのを確認してくぐって入ると、こちらを見て店主が声をかけてくる。
お、これは例の「旅の風下に立ったことはいっぺんもないんで」というやつか?

多少ビビりつつも、はあ、まあ、などとゴニョゴニョいいながら空いていた席に腰を下ろす。

ワシも格好つけにゃならんですけえ。

瓶ビールを頂き、まずは呉のソウルフードともいうべきがんすを。
これは魚のすり身を揚げたもので、唐辛子が入ってるので結構辛いのが特徴。

通りにずらりと並んでいる屋台は、どの店もそれぞれ魅力的。回遊魚のように、ふらりふらりと腰を落ち着かせることなく移動する。
次の店では牛すじの煮込みを。



ふたつ向こうの席では友人の披露宴の二次会帰りらしき女性三人組が、共通の友人らしき新婦のあからさまな悪口をそれぞれ口々に言いだす。

特段聞き耳を立てていたわけではないのだけれど、広島弁の20代後半らしき三人の女性の話がえらく真に迫りリアルで辛辣でけたたましくて。

「それなー、もううちニューカレドニアで体験しとるけん、ひどいじゃろ」

しかし女の子の広島弁は可愛いらしいね。まるでperfumeが横で話しているようだね。


さらに次の店では豚足を。思ってたよりいっぱい出てきたのでびっくり。食べきれるかな。

コラーゲン取らないかんのじゃ。



締めとして中華そばも食べてみるけぇの。


まあしかし屋台で食べる深夜のラーメンってなんて美味しいんじゃろう。



境川公園の公衆便所で用を足し、次の店へと夜の呉を歩く。
小銭はまだ、残っとるがよう・・・。

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