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フランソワ

こちら老舗でございます!

敷居が大変高うございます!

恐れながらお客様には少々不釣り合いなお店かと存じます!

と、表の佇まいから勝手に感じるそこはかとない威圧感。


そこで道場やぶりさながらに、
いざ、頼もうっ!と、一杯他所で引っ掛けてきた勢いと共に踏み込む。
やあやあ尋常に勝負せよ!

こういったやや敷居の高い店に入るには、心臓に毛が生えている私といえど、やはり事前に二、三軒ほどはしごした勢いとテンションが必要なのですよ。

とはいえ、入ってみると、とても雰囲気が良くて居心地がいいお店だった、というのもよくある話で。

ジンはタンカレー
年季の入ったレジスター

何しろ、マスターの人柄が素晴らしくて、それでもう嬉しくなってしまう。

ところで。

マティーニを食前酒で、というようなスノッブな人もいるのだろうけれど、ウォッカやジンを水のようにがぶがぶと呑む外人でもあるまいに、アルコール度数が高すぎて日本人には空腹時に呑むカクテルではないよなあ、と思う。


それよりもカウンターの横の女性が、後ろのソファ席の知人らしき客と話してばかりで、ショートカクテルのグラスに半分ほど酒が残っているのが気になってしょうがない。

ショートカクテルは3口で、とまでスパルタンでストロングスタイルなことは言わないまでも、お酒をずっと放って置かれることほどバーテンダーが嫌がることはなかろうに。

お寿司でも盛り板や下駄に供されると同時に、間髪入れず食う。焼き鳥も同じ。これが粋ってものでしょう。

野暮はいけません。野暮は。

当然、たっすいがもいかん。

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