ファイトクラブのタイラーダーデン
株式会社石黒金属製作所の北山です。東大阪市で製缶、鈑金、溶接業をしています。
子供の髪が伸びてきたので、美容室の予約を取りました。
すると、その美容室の前日の夜に次男が、うーん、髪型どうしようかなぁー。と呟いていました。
えっ、小学2年生が髪型で悩むの?どうするもこうするも、男なんて短くするかちょっと長めにするかくらいしかないんじゃないの?お父さんは天然パーマだし、いつでもお任せするか、暑くなってきたから短めとか、寒いから長めにとかしか言わないよ?と僕は言いました。
すると次男は、タブレットの画面を操作して、うーん、タイラーダーデンの髪型にするかなぁ、、、と言っていました。
タイラーダーデン?タイラーダーデンて誰?と僕は聞き返しました。
次男は、お父さん何言ってんの?お父さんが好きな映画だから一緒に観たらどうだって言ってた「ファイトクラブ」のタイラーダーデンじゃない!なに忘れてんの!と言われました。
そうでした。タイラーダーデンと言うのは、僕の好きな映画監督のデビッドフィンチャーの作品、ファイトクラブのブラットピットの役柄の名前でした。唐突に名前が出てきてピンときませんでした。
ファイトクラブは20年くらい前の映画で、結構複雑なストーリーなのですが、ブラッドピットのタイラーダーデンが魅力的なキャラクターで脚本も面白いです。
そしてデビッドフィンチャー監督の演出や撮影スタイルも、アメリカの一側面をじっと見続けているようで良いです。映画は監督で観ていくと、その監督の特徴や癖、テーマなどが見えてきて面白いです。
そんな映画が小学2年生でわかるのかと言われるとどうかわかりませんが、小学1年生になる前に3時間近くあるロバートパティンソン主演の「ザ・バットマン」を2人で劇場で観て、ストーリーとテーマをしっかりと理解していたので、おそらくファイトクラブも理解していたとおもいます。
ファイトクラブのタイラーダーデンは、聖なるものと俗なるものが一緒に存在している感じで、男性は魅力を感じる人も結構いそうです。そんなことが次男のハートを刺激したのかもしれません。
とにかく、次男はブラッドピットの髪型にしたいようです。
次男は、でもなぁ、タイラーダーデンの髪型とか無理でしょ?と言います。髪型も難しいかもしれないし、髪型以前に顔が全然違うし、最近次男はちょっと肥えてきて、下ぶくれの顔つきで、ブラッドピットと言われてもなぁ、と僕は思いました。
まぁ、とりあえず明日美容室のお兄さんに相談してみたら?と僕は促してみました。モテたいからタイラーダーデンの髪型に、とかではなく、単純にひょっとしてタイラーダーデンというより、ブラッドピットに憧れているんでしょうか。
翌日、美容室が近づいてきたら、次男はどうしようかな、やっぱり恥ずかしいからやめとこうかな、でもなぁ、タイラーダーデンとか言ってちゃんと伝わるのかなぁ、とかモゴモゴ言ってました。
お店について、いざ切ってもらう時がきて、次男はモゴモゴ言い出して照れて伝えられず、代わりに長男が、弟はしてもらいたい髪型があるんだよと、美容室のお兄さんにバラしてました。
美容室のお兄さんは、いいよ!どんな髪型?やってあげるよ?と言い、僕がタイラーダーデンの写真を見せて、小学2年生でファイトクラブかぁ!と言ってお兄さんは笑って、できるよ!と言ってくれました。
次男は照れくさそうにしながら、できるんだ!とか言いながら、髪の毛を洗われにいきました。
そして、しばらくして髪型は仕上がりました。なんとなくいい感じで、たしかにタイラーダーデン風であります。しかし、顔がブラッドピットではないので、下ぶくれの悪ガキの風貌になりました。
しかし、次男は満足そうでした。ちょっと表情もタイラーダーデン風を装い、タイラーダーデンとして街を闊歩していました。
そして、次男の手にはあらかじめ用意していた子供用のサングラスがありました。モゴモゴ言ってお兄さんに髪型の事を切り出さなかった割には家から子供用のサングラスを持ってきていたのです。なんとも用意周到です。
タイラーダーデンはサングラスもかけているシーンもあり、サングラスをかけた姿もカッコいいので真似したかったのでしょうか。
ちょっとサングラスもかけたりして、よりタイラーダーデン風を存分に味わっていました。
まぁ、小学2年生がタイラーダーデンの髪型をとか言ってるのも笑えますが、いろんなものに刺激を受けて成長していってくれたら良いなと思います。
映画に触発されて、殴り合ったり、ビルを吹き飛ばす様な事にはならないでほしいですけど。
ちなみに、うちの家族にはタイラーダーデン風の髪型に仕上げる技術がないため、次の日からはぺちゃんこくせ毛の下ぶくれ少年になり、タイラーダーデンは見る影もありませんでした。
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