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221124 第3章個別テーマ(一部抜粋) 3.1 制御システムの情報セキュリティ

221124 第3章個別テーマ

本章では個別テーマとして、制御システム、IoT、ク
ラウドのセキュリティについて、報告されたインシデントや
攻撃の実態、脆弱性や脅威の動向、国の施策や対策
状況等を解説する。2年ぶりに取り挙げるクラウドのセキュ
リティについては、近年利用が急増しているSaaS に焦点を
絞り、解説する。
また、2021 年後半以降のウクライナ危機は、武力と情
報が組み合わさった新たな脅威を生み出しており、米国
や欧州がこの状況にどう対応しているか、関連するセキュ
リティ政策や政府・民間組織の動向について紹介する。
3.1 制御システムの情報セキュリティ
制御システム(ICS:Industrial Control System)は、
電力、ガス、水道、輸送・物流、製造ライン等、我々
の生活を支える重要インフラ※ 1を管理し、制御するシス
テムである。従来、制御システムの多くは独立したネット
ワーク、固有のプロトコル、事業者ごとに異なる仕様で
構築・運用されており、外部からサイバー攻撃を行うこと
は困難と考えられていた。しかし、近年、外部ネットワー
クとの接続、標準プロトコルや汎用製品の利用が進んだ
こと、10 ~ 20 年に及ぶライフサイクルの長さ故に、外部
との接続やサイバー攻撃を想定していないシステムが今
も多数稼働していること、また、攻撃者にとって価値の
高い標的であることから、制御システムに対するサイバー
脅威が高まっている。実際に、社会経済活動に大規模
な被害が出たインシデントも発生している。
本節では、制御システムのセキュリティの動向と主な取
り組みについて述べる。

3.1.1 インシデントの発生状況と動向

調査会社による制御システムユーザ等へのアンケート
調査において、2020 年同様、2021 年も制御システムへ
の侵入や運用障害が発生したという回答が一定数以上
あった。
例えば、米国、ドイツ、日本の製造業の IT 及び制御・
運用技術(OT:Operational Technology)の専門家
500 名を対象とした調査結果では、61.2% がサイバーセ
キュリティインシデントを経験した、と回答している。イン
シデントの 74.5% でシステムの停止が発生しており、その
うち 43.4% が 4日以上の停止の被害に至った、と回答し
ている※ 2。英国の航空、化学、エネルギー、輸送、水
道分野等の重要国家インフラ(CNI:Critical National
Infrastructure)組織の IT 意思決定者 250 名を対象と
した調査結果では、86% が過去 12ヵ月間に OTと制御
システムに対するサイバー攻撃を経験しており、そのうち
93% が少なくとも1 度は攻撃が成功していた、と回答し
ている※ 3。
2021 年に公になったインシデントには、水道やパイプラ
イン等の重要インフラを標的とした攻撃、サイバー攻撃に
よる生産や重要サービスの停止、メディア企業への攻撃
による放送や新聞発行の停止、公共交通機関を標的と
した攻撃、医療機関への攻撃、USBメモリやパソコン
を接続することによるウイルス※ 4 感染、という六つの特
徴が見られた。

所感
ウクライナの侵略は2014年以前からサイバー攻撃等があった
日本は、全く時間がないのでスピード良く叡智を結集させて
迅速やるしかないような。

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