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言葉から逃げないこと『アドラー式子育て 家族を幸せにしたいパパのための本』レビュー

 「男性脳」とよばれる、ロジカルな思考回路をもつ人々。
対して、「女性脳」とよばれる情緒的な思考回路を持つ人々。

 わたしたちは時にこれらのカテゴリーに分類されます。
そして、この違いがときに対人関係の悩みを引き起こすことがあります。

 この本は、ロジカルな思考回路を持つ人々に対し、情緒的な人々との関わり方を、ロジカルに解説した本です。
 ロジカルにはロジカルを。
 相談者の悩みをアドラー心理学の観点からひとつひとつ分解して解説し、具体的なアドバイスをする、という形式を取っていて、ロジカルなタイプの方には非常に馴染む一冊です。

 私自身は配偶者もこどももおりませんが、職場で自分と違うカテゴリーの方との関係によく悩まされます。私はどちらかといえばロジカルな方だと自分では思っているのですが、例えば「急に不機嫌になる」「物をたたきつける」など、態度だけで示すタイプの方が苦手です。具体的に伝えたいことがわからないので、そういった方の希望通りの行動ができないんですよね。

 というわけでこの本は馴染みやすかったのですが、解決方法は意外にもシンプルで、ほとんどのケースで「〇〇という気持ちを正直に話してみましょう」「〇〇について具体的に話し合ってみましょう」というアドバイスが送られていました。

 要するに著者は、問題の根源は「言葉が足りないこと」にあると、暗に指摘しているのだと思います。私自身上に挙げたような「態度だけで示す方」に対して、「何か困っていることはありますか」というような言葉がけをしたことはほとんどありませんでした。それどころか、そういった方に対して「なんなんだ!」と自分までイライラしてしまうことも珍しくありませんでした。

 人を変えるにはまず自分から。もし今度職場で感情的な態度を示されたら、まずは「自分は察するのが苦手だから指示がほしいと伝える」「してほしいことはあるか聞いてみる」など、相手を知って行動してみようと思いました。

 絵本制作にあたって小児の心理や子育ての勉強のために手に取った1冊目でしたが、自分の普段の暮らしにも役立つヒントを得ることができました。

また、この本は気になることや「あれ、なんだったっけ」にいつでも遡れるようキーワードにインデックスがつけられており、ハウツー本としても優れています。逆にロジカルなタイプが苦手な方にも相互理解の助けになると考えられますし、人間関係に悩むさまざまな方におすすめできる良本でした。

※画像はフォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございました。

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