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アニミズム - 縄文時代からの継承

縄文時代の平均寿命は実は約30歳ほどだと言われています。現代の私たちにとってはかなり若いと感じるかもしれません。

縄文時代は戦争がなく平和な時代であり、食べ物にもあまり困らない環境でしたが、収穫ができないことや不作な時期も多くあったのだと思います。

それでも当時の人々は厳しい自然環境に対して恨みを持つことなく、むしろ敬意を払っていました。彼らは自然を崇拝し、アニミズムの信仰を持っていました。

アニミズムとは、岩や樹木などの自然物には霊魂が宿っていると信じ、それを崇拝する原始宗教です。

現代でも、多くの神社には御神木が祀られ、石や岩には注連縄が巻かれています。日本人の多くは特定の宗教団体に所属しているわけではありませんが、日常生活で自然などを崇拝したり、拝んだりしています。

初詣で神社を訪れたり、お地蔵さんに手を合わせたり、トイレを清潔に保つことでトイレの神様に喜んでもらおうとする人もいます。

このような日本人特有の神様の捉え方は、海外の人には理解しにくいものです。というのも、海外では主に一神教が広まっており、一つの神だけが存在するという考え方が一般的だからです。

ただ、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などは神の呼び名が違うけれど、実際には同じ旧約聖書の神様を崇拝しているのです。

これがややこしいところです。現在でもこの一神教の解釈による争いや戦争が続いているのは大変なことです。

海外の人たちが神様の話をする際、彼らは一般的に聖書に登場する神様のことを指しており、それ以外の存在は神様とは考えません。そのため、海外では仏教は悪魔の宗教だと言われたこともあります。

もし海外であなたの信仰を尋ねられ、「無宗教です」と答えると、「悪魔を信じている」と誤解されることがあります。そのため、特定の宗教団体に所属していない日本人であれば、「仏教徒です」とか、「神道家です」と言った方が無難です。

アニミズムに話を戻します。山の神様や海の神様など、あらゆるものに神が宿っているという考え方は、古代から続くものです。

もともと、「アニミズム」という言葉はラテン語で「霊魂」を意味する「アニマ anima」から派生した用語です。すべての生物や無生物には霊魂が宿っているという信仰や宗教です。

(ちなみに、「アニメ」の語源もこのアニマ(霊魂)から派生しています。アニメーションでは、セル画をパラパラと動かすことでキャラクターに命を吹き込みます。このように、命が宿って動き出す様子から、アニメという言葉が生まれました。)

この宗教観は、お墓の中にも現れています。それが貝塚です。

貝塚は食べ終わった貝殻のゴミ捨て場として一般的に認識されていますが、実際には人骨も発見されています。これは、人間も貝も同じ生物として同じ場所に葬られていたことを意味しています。共同墓地の一種と言えるでしょう。

生命を持つもの全てが平等であるという考え方です。この考え方は、現代の日本人にも引き継がれていると思いますし、誇りに思っても良いことだと思います。

実は、東京の中心部や他の地域でも多くの貝塚が見つかっています。そして驚くべきことに、今でもこれらの貝塚は大切に保管されているのです。

次回は、その貝塚についてもっと詳しくお話ししたいと思います。

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