石田強

映像作家 短編映画『Lost But Not Forgotten』 がロサンゼルス短…

石田強

映像作家 短編映画『Lost But Not Forgotten』 がロサンゼルス短編映画祭で佳作賞を受賞。日常を観察しながら新たな短編映画作品を企画制作中。www.tsuyoshi-ishida.com

最近の記事

ポリコレは「家族」がターゲット

今、アメリカで日本のコマーシャルが大変バズっている。いや、炎上しているらしい。 この20秒ほどの、ほのぼのとした可愛いアニメのコマーシャルを見て、皆さんはどう感じるだろうか。ごく普通の家族が普通に食事を楽しいんでいる様子が描かれているだけだと、日本人の多くの人たちが感じると思う。 しかし、アメリカではこれは「人種差別」になるのだそうだ。黒人が写っていないのは差別に値するという。あまりに極端で呆れてしまうかもしれないが、これがいわゆる「ポリコレ」「ポリティカル・コレクトネス

    • 御手元から「歴史」をつまみ食い 

      歴史を学ぶ際、当時の政治や経済などの変化を見ていくことが多いかと思いますが、  「食」に関することを知るとまた違った歴史観を垣間見ることができます。 食は文化と強い結びつきがあることがわかります。 そして、食は宗教とも結びつくものです。 多くの宗教的儀式にお供物として食べ物を使うこともあるし、旧約聖書にも食べていいもの悪いもの、また、その食べ方などが事細かく書かれていたりします。 当時の食事スタイルを見ることでその土地の文化レベルも見えることがあります。 なので、今

      • マッチョの時代は終わり?:肉体労働から知識労働へ

        近年、私たちの社会は驚異的な速さで変化し、新たな価値観や概念が台頭してきていると感じられることだと思います。 毎日新しい技術と情報が生み出され、常に最新の情報に追いつくだけでも一日が過ぎてしまうほどで、行き着く間もない感覚を覚えます。 そして、個々人の価値観も急速に変容していることが日常の中でも窺えます。そうした中で、皆さんはどのような価値観を持ち、日々をお過ごしでしょうか。 確かに、現代は過去と比べ「物理的な価値」よりもむしろ「情報的な価値」に重点が置かれるようになっ

        • 「We report, You decide(報道するのは私たち、判断するのはあなた)」

          アメリカ合衆国のニュース専門放送局、FOXニュースのスローガンである「We report, You decide(報道するのは私たち、判断するのはあなた)」は、メディアの重要な役割と読者の責任を強調しています。 ここ数年のニュースを見ていて、多くの人がメディアの偏向を感じているのではないでしょうか。 「報道」は事実を客観的に伝えることであり、その情報をもとにして読者は自分の意見や判断を形成します。 しかし、時折、報道が「誘導」に変わってしまうこともあります。 これは危

        ポリコレは「家族」がターゲット

          食品の舞台裏 あなたには覗く勇気がありますか?

          多くの人の関心ごとに「健康」があると思います。 お子さんをお持ちの方であれば、ご自身の健康だけでなく子供の健康も気になるものですよね。 私も小さい頃はよく、母に「お菓子ばかり食べちゃダメ」、と叱られた記憶があります。お菓子の中身は大体が化学物質だらけで体に悪いとわかっていたからでしょう。 ところがどうでしょうか? 普段スーパーなどで買って食べているお惣菜もその化学物質が使われているとしたら。。。 「アレルギーを持つ子供が増えているみたい。」 「うちの子もアトピーや喘息

          食品の舞台裏 あなたには覗く勇気がありますか?

          ハリウッドの秘密、教えます。

          ハリウッドの舞台裏には、ある秘密が隠されています。 それは、観客の心を掴むために使われるテクニックです。 この秘密の仕掛けは、人間の脳が抗えない強烈な仕掛けです。 特に、映画の冒頭10分にこの仕掛けが頻繁に使われています。その理由は、ここで観客の興味を引き込み、彼らの心を作品に引き込む必要があるからです。 冒頭が魅力的でなければ、観客は退屈してしまい、映画の全編に集中することが難しくなってしまうからです。実際、最初の10分が退屈だと、その映画は駄作扱いされてしまうこと

          ハリウッドの秘密、教えます。

          老人のボヤキにさようなら

          「歳取ると、耳が遠くなってねえ。嫌になっちゃうよ。」 こんなことをボヤく年配の方は多くいるかもしれません。 歳を重ねる中で、物理的身体の老化により耳が遠くなるのは必然的なことと言えるかもしれませんが、実際のところ、100%年齢のせいとも言い切れません。 基本的には自分に興味のないことや都合の悪いことには耳が働かなくなるのです。 散々耳が遠いと言いながら、お金の話や誰かの悪口になると、突然耳が大きくなる年配の方々がいます。これは年齢の話ではなく、どれだけ本人にとっ

          老人のボヤキにさようなら

          なぜ、あなたはいつも不安なのか?

          ・「最近イライラすることが増えた気がする。」 ・「何か社会に対して不安に思うことが前よりも強くなった気がする。」 ・「なぜだかわからないけれど、気持ちが落ち込む。」 最近、こんな風に感じたことはないでしょうか? もしかしたら、何者かによってそう感じるように仕掛けられたのかもしれません。 現代のメディアは、我々に無料で情報やエンターテイメントを提供してくれる一方で、広告によって成り立っているという側面があります。 これは非常に便利で魅力的な仕組みですが、私たちはその裏に

          なぜ、あなたはいつも不安なのか?

          持続可能な日本文化の価値

          先日、あるヨーロッパの日本武道武術研究者である友人と話す機会がありました。 彼は西洋の武術について、使われなくなった技術はどんどん忘れ去られる一方だと語ります。 どう言うことかと言えば、例えば、中世ヨーロッパの戦場で使われていた当時の戦術などは現代に再現しようと思ってもなかなか難しい。 なぜなら、誰もその技術を継承していないから再現しようがないのだそうです。 現在、研究している人たちはいるようですが、あくまでも研究対象なだけのようで、どこまで再現されているかははっき

          持続可能な日本文化の価値

          東京の秘密のパワースポット!古墳と貝塚が眠る芝公園

          古くなった建物は次々と解体され、新しい建築物が東京の景色を変えていきます。そんな変化の激しい大都市、東京の中心部には、今も自然と古い歴史を感じることができる場所があります。 その場所は、東京タワーが目の前にそびえる芝公園の中に位置しています。 「丸山古墳」と呼ばれる場所であり、また「丸山貝塚」でもあります。 ここでは弥生時代を超えて、さらに縄文時代まで遡ることができるのです。東京のど真ん中にこんな場所があるなんて、驚きです。 芝公園の中は最初は普通の公園のように見えま

          東京の秘密のパワースポット!古墳と貝塚が眠る芝公園

          アニミズム - 縄文時代からの継承

          縄文時代の平均寿命は実は約30歳ほどだと言われています。現代の私たちにとってはかなり若いと感じるかもしれません。 縄文時代は戦争がなく平和な時代であり、食べ物にもあまり困らない環境でしたが、収穫ができないことや不作な時期も多くあったのだと思います。 それでも当時の人々は厳しい自然環境に対して恨みを持つことなく、むしろ敬意を払っていました。彼らは自然を崇拝し、アニミズムの信仰を持っていました。 アニミズムとは、岩や樹木などの自然物には霊魂が宿っていると信じ、それを崇拝する

          アニミズム - 縄文時代からの継承

          縄文時代の呪術廻戦

          おそらく、このエキゾチックな土偶を見たことがある方もいるかもしれません。 『遮光器土偶』と呼ばれるものです。 これは1886年(明治19年)に青森県の亀ヶ岡遺跡で出土したもの 遮光器土偶には、いくつかの都市伝説的な話があります。 例えば、宇宙人の作品ではないかというものや、出土場所から考えて北極圏の先住民であるエスキモーの当時のサングラス(光を遮るためのもの)を模したものではないかというものなど、様々な説が存在します。 中にはNASAの宇宙服のデザインのモデルになった

          縄文時代の呪術廻戦

          夜は別々?共同寝室vs個室、子育ての多様性を考えてみる

          子育てのスタイルは国や文化によって異なりますが、私は日本とアメリカの子育ての違いについて驚いたことがあります。 その違いは赤ん坊の頃から明らかです。 日本では一般的に親と赤ちゃんが同じ部屋で寝ることが一般的ですが、西洋圏では赤ちゃん専用の部屋で寝ることが普通です。 初めて聞く人もいるかもしれませんが、赤ちゃん用の部屋が設けられるのです。 この違いの理由は、西洋文化が個人主義を重視しているからだと言われています。赤ん坊の頃から親離れしやすい環境を作るために、別々の部屋で

          夜は別々?共同寝室vs個室、子育ての多様性を考えてみる

          美術界の地殻変動:縄文土器が描く新たな物語

          「芸術は爆発だ」や、大阪万博の「太陽の塔」を制作したことで有名な芸術家の岡本太郎氏。彼が東京上野の博物館で『縄文土器』と出会ったことで、「心臓がひっくりかえる思いだった」と衝撃を受けたことを語ったことがあります。 岡本氏は1930年から10年間パリで過ごし、最先端前衛美術運動に没頭する生活を通して、日本人であることに目覚め、日本の伝統、美術、芸術に復帰するべきだと決意し戦時中の日本に帰国。 しかし、国宝クラスの古典美術の研究を続けても、日本の伝統文化は弱々しく、暗い雰囲気

          美術界の地殻変動:縄文土器が描く新たな物語

          花より団子な日本人

          あるアダルトグッズを販売している会社がユニークな世界比較調査を行いました。 日本を含む世界9カ国と地域を対象の18~54歳までの男女に「もっとも快いと感じるのはどれか?(Please rank how pleasurable each of the following activities?)」と用意された14個の選択肢に対してランキングを付けてもらうというもの。 その結果が興味深い。 アメリカ・イギリス・フランスなど西洋文化圏だけではなく、アジア圏の中国・韓国も1位は

          花より団子な日本人

          1万2000年前からグルメな日本人たち

          世界で一番最初にワインを作ったのは、日本だって知っていましたか? こんなこというとヨーロッパの人たちに怒られそうです。 「そもそもワインは、ヨーロッパの文化圏で発生したもので、聖書やキリスト教の中でも神聖なアイテムとして扱われているほどの長い歴史があるじゃないか。」 「日本が本格的にワインを嗜むようになったのは、明治になって西洋文化を取り入れてからだ。」 「宣教師、ザビエルが鹿児島に上陸した際に、赤ワインを伝えたはず。」 と、色々とワインの歴史と日本の関係について語

          1万2000年前からグルメな日本人たち