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美術界の地殻変動:縄文土器が描く新たな物語

「芸術は爆発だ」や、大阪万博の「太陽の塔」を制作したことで有名な芸術家の岡本太郎氏。彼が東京上野の博物館で『縄文土器』と出会ったことで、「心臓がひっくりかえる思いだった」と衝撃を受けたことを語ったことがあります。

岡本氏は1930年から10年間パリで過ごし、最先端前衛美術運動に没頭する生活を通して、日本人であることに目覚め、日本の伝統、美術、芸術に復帰するべきだと決意し戦時中の日本に帰国。

しかし、国宝クラスの古典美術の研究を続けても、日本の伝統文化は弱々しく、暗い雰囲気が馴染めなかった岡本氏は絶望しました。

そんな時に『縄文土器』に出会い、衝撃を受けます。

「人間の生命の根源をほとばしるように刻み込み凝集した凄みとでもいったらいいか、とにかく圧倒的な迫力でした。全身がぶるぶる震えるくらいのね。こんなすごい造形が太古の日本にあったのかと。」

戦前戦後の頃の日本の美術の定説では、弥生時代から日本の美術史が始まったとされていたようです。しかし、調査研究が進むにつれて、この常識は覆され、縄文土器は1万3000年から1万5000年前にも遡ることができてしまいました。

人類史上、「世界最古」の美術品が我が国、ニッポンから出土しているのです。

圧倒的です。

現在もなお、日本各地の古代遺跡の発掘調査は続けられていますし、また新たな大発見で世界の歴史をひっくり返すことが起こる可能性は大きいです。

このようにニッポンという場所はまだまだ謎や不思議が多く残されています。

また、不思議なことといえば、そんなすごいニッポンのことをよくわかっていないのが日本人でもあります。

私自身も例外ではないです。私も海外留学を通して、自分が「日本のことを知らない日本人」だと、強く感じました。自分の無知さ加減には呆れてしまいます。

このままではマズいという思いから、日本のことを学び直そうと思い、まず歴史から学び直そうと決めました。

どこから始めようかと色々と悩みましたが、やっぱり縄文時代からかなと思いました。

これから少しづつ歴史の時間を現代へ進めながら、日本の歴史の流れをつかみたいと考えています。

そして、「歴史の全体像」を知ることが今の時代を生き抜くために必要なことだと強く思うのです。

多くの方が現代の時代の変化に圧倒されているのではないでしょうか?自分を見失いそうになっていませんか?自分の将来像物語を描くことができないと思ってませんか?

それはあなたが、今どんな時代に生きているのかがわからないから、かもしれません。

もしかすると、私たちはとんでもない時代を生きているかもしれないのです。数100年に一度。いや、数1000年に一度の大転換期に生きているかもしれないのです。

私たちが時代のどの「地点」に立って生きているのかを知るにも、知識の基盤、歴史の基盤を作ることが大切だと思っています。

そして、「現在地」がわかれば、自ずと「目的地未来」も見えてくると信じています。

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