「ヤッター!宿題だ!」1年生は宿題も大好き!
子供たちに言わせたい二つの言葉
1年生の担任になると、どうしても1年生に言わせたい二つの言葉があります。
一つは、最初の一週間の最終日、金曜日の帰りです。
「明日、学校がお休みなのが嫌だな」
「だって、小学校は楽しいもん」
「先生やみんなに会えないのが嫌だよ」
と言わせたいのです。
この一言を聞くために、一週間死にものぐるいで頑張ると言っても過言ではありません。
どうやら、私も「褒められて伸びるタイプ」のようです。
しかし、私の知る限りでは、多くの同僚が、この言葉を待っています。
1年担任の悲願です。
もう一つは、初めて宿題を出す日です。
「ヤッター!宿題だ!」
と言わせたいのです。
こんなことを子供が言うのか。宿題を喜ぶ子がいるのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に、子供は言います。
6月になったある日、帰りの会で、私はこう伝えました。
「今日、1年生になって、初めての宿題を出すよ。」
それに対する子供たちに返事です。
「先生、ずっと待ってたよ」
「お兄ちゃんが、やっているのを見て、自分もやりたくてたまらなかったんだ」
「もっと早く出してほしかったよ」
この反応は、私のクラスだけではありませんでした。隣のクラスのも、その隣のクラスの同じ表れがみられたそうです。
1年生は知的好奇心のかたまり
1年生の子供たちが宿題を待ち焦がれるようになるためには、指導の工夫が必要です。
しかし、それは十分条件ではりません。
一番の要因は、1年生そのものが、知的好奇心のかたまりだということです。
こんな年がありました。
ある朝、ヒロキ君がノートを差し出して言いました。
「先生!宿題をやってきたから見て!」
宿題など、まだ出していません。ノートをめくってみると、平仮名がいくつか練習してありました。
「お姉ちゃんがやっていたから、僕もやった」
とのこと。
「だって、平仮名が上手になりたかったんだもん」
こんな年もありました。
国語の時間に最後までやり切れなかったプリントがありました。
すると、アキコさんが、
「続きを家でやってきたい」
と言うのです。
「いいよ」
と答えると、それを聞いていた子が何人も、
「僕もやりたい」
「私もやってくる」
と、言います。
そこで、全員に対して、
「家でやってきたいと思う人は、やってきてもいいよ」
と伝えました。
「自主勉強型」ではありましたが、学級に「宿題」が誕生した瞬間でした。
翌日、驚くなかれ、かなり多くの子がプリントを提出したのでした。
少なくとも小学校の出発点では、子供は、「宿題スキ!」なのです。
それならば、高学年になっても自分から進んで宿題に取り組めるはず。
その悪戦苦闘については、また後日に。