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5年理科 メダカの卵も一人一飼育で命を学ぶ
「ヒント帳27」では、3年生の理科で、モンシロチョウを卵から羽化するまで一人で一匹の飼育をする「一人一匹飼育」をオススメしました。
それは、次のよさがあると思うからでした。
「一人一匹飼育」のよさ
①科学的に結果を導くことができる
②育ち方について実感の伴った理解ができる
③飼育技能を高めることができる
④命について実感の伴った学習ができる
そして私は、これらの理由から、「一人一匹飼育」で、「モンシロチョウの親になろう(モンシロチョウのお父さん・お母さんになろう)」の単元を実施しました。
(この「ヒント帳 27」は、コチラ ↓ ↓ ↓)
私は、5年生の「メダカのたんじょう」の学習でも、「メダカの親になろう(メダカのお父さん・お母さんになろう)」の単元を実施し、一人で一つの卵を孵化させる「一人一つ(一匹)飼育」をさせました。
これもまたぜひオススメします。
メダカの卵の飼育は、モンシロチョウの飼育よりも簡単です。
上記の「一人一匹飼育」のもつよさの「③飼育技能」の向上については、あまり望めないほどです。
しかし、「自分の」卵の中で育っていく「自分の」メダカの心臓の鼓動や体液の流れ、回転する動き、そしてついに孵化した瞬間を直に観察して得られる命への実感は、大変大きなものになります。
私が行った「一人一つ(一匹)飼育」の方法と注意をお伝えします。
①受精卵の採集
・よく知られているように、大型連休の前後から卵が見つかります。慣れないと「見えない」のですが、見つける経験をすると子供でもすぐに分かるようになります。
放っておくと親が食べてしまいますので、見つけたらすぐに採ります。「見つけた子が育てる」と約束しておくと、子供たちが熱心に探します。
・60cmぐらいの水槽にオスとメスを合わせて30匹ぐらい入れておけば、学級の人数分+α個の卵を採ることができます。
・初めにメダカの成魚の観察を一人一匹ビーカーなどで行うことでしょう。その成魚の級で十分だということです。
ただ、学習期間中に死んでしまう成魚も少なくないので、多めに準備する必要があることは、ご存知だとお思います。
②採取後の卵の育て方
・授業時間数に余裕があれば、ぜひ卵を「磨く」とよいでしょう。ろ紙(または、ガーゼ)で挟んで軽く押さえ付け、ころころと転がすようにします。卵に付いている付着糸が取れて観察しやすくなり、カビにくくもなります。
卵が潰れることは、まずありません。卵の状態のメダカは、強く丈夫です。
逆にすぐに潰れてしまうものは無精卵です。色が白濁しているのも無精卵、またはカビている卵です。
・一人一つ、卵をシャーレかプリンカップなどの小さな容器で育てます。育てるといっても、容器の水の中に入れておくだけですが、水が少なすぎて、気温が高い日に直射日光などで温度が上がると、卵が死んでしまうので、毎日、必ず水換えをします。
その時の水は、水道水で大丈夫です。塩素が卵の中に入ったりしません。逆に塩素によって、雑菌が消毒されて卵がカビにくくなります。
・ただし、孵化が近くなったら水道水では危険です。生まれた稚魚が死んでしまいます。バケツに一昼夜汲み置きしておいて塩素抜きした水で飼育します。
・なお、水換えの時に、そのまま水道で行うと誤って卵を流してしまう失敗も起きるので、バケツなどの容器に水をこぼすとよいでしょう。
③休日への対応
・悩ましいのは、休日への対応です。
孵化までの期間は10日から2週間ぐらいですから、どうしても休日が挟まります。
上にも書いたように水温上昇が一番の敵ですので、私は、休日前に水を多めに入れておくか、プリンカップの場合はある程度の高さがあるので、丸型の大きめの水槽に水を入れて、中にプリンカップごと入れておきました。
・以前ある先輩教師から、アナログカメラのフィルムケースが重宝するという話を聞いたことがあります。
フィルムケースの中に水を入れて飼育できるというのです。
休日も、子供が家に持って帰れます。
教室でも、各自が机の中に入れておいて、休み時間になると取り出して愛おしそうに見ていたということです。
また、観察時には、ケースの蓋の真ん中のへこみに卵を入れると、そのまま解剖顕微鏡で見ることができて便利だとも言っていました。
近年は、フィルムケースが入手困難かもしれません。昔は、写真店でいくらでもいただけましたが。
④孵化した後
・シャーレやプリンカップではもう飼えません。「自分の子供」ですから、すぐに観察をして、その後、急いで成魚のいない小型水槽に移します。
「一人一つ(一匹)飼育」の終了です。
「一人一つ(一匹)飼育」ぜひオススメします。
ちなみに、生まれた30数匹の稚魚が成長し、翌年まで生き続ける確率は、私の場合はいつも1割から2割だったと記憶しています。悔しい思いをしていました。自然は厳しいです。