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「雑巾力」を育てるだけで子供の絵がみるみる変わる

新年度に担任した学級で、子供たちに絵の具バッグを開かせると、その中に「絵の具用の雑巾」が入っていないということが、何回かあった。

絵の具指導で、「絵の具用の雑巾」は絶対に必要だ。
子供が床や机に絵の具を付けてしまった時や水をこぼしてしまった時に、「拭く」という使い方もある。

しかし、最も大切な使い方は、水で洗った筆の穂を拭くことだ。
洗って水を含んだ穂を、しっかりと雑巾で拭く。そうして、水分を拭き取ることが必要なのだ。

詳しく説明する。

子供の絵を見ると、発色が悪い「色の薄い絵」を見掛けることがある。
意図的に薄い色で表しているなら分かるが、そうでない場合が少なくない。

原因は、絵の具に水を混ぜ過ぎていることだ。
なぜ、そうなるか。
雑巾で筆をしっかりと拭いていないからだ。
上述のように、子供の中には、雑巾を用意していない子もいる。それでは、水を含ませ過ぎになるだろう。水を垂らしながら筆を使っている程だ。

次のような指導をしっかりとしたい。

①絵の具を付けた筆は、色を替える時や混ぜる時には、まず筆洗バケツでしっかりと洗う「カタカタ」と音を立てて
※同じ色を続けて使う時には、洗う必要なし(以前、子供を観察していて、案外、無意識に洗っている子が多いことに気づいた)!

前に使っていた色が落ちたら、雑巾でしっかりと拭き取る。ぽたぽた垂れるようでは全然ダメ。自分の頬や手の甲に筆を当てても、「濡れちゃった」でなく、「湿っている」と感じるくらいまで水分を拭き取る。雑巾に筆を「優しく」押し付けるようにして。
※使っていた色が付くようでは、洗い方が不十分!

次の色を付けて、塗る、または混ぜる。その時に水が足りないと感じたら、きれいな水を筆にチョンと付けて足す
※さっき、筆を洗った場所の水を使ってはいけない!

以上の作業が、無意識にできるようになるまで、繰り返し指導をする。
そうすると、発色のよいはっきりした絵に変わっていく。

こういう指導は、「頑固」に!ある意味、子供との我慢比べだ。
「それ!カタカタカタカタ!よく洗う。」
「雑巾にごしごしごしごし」
「ほっぺにチョン」「はい、OK!」
などと言いながら楽しくやりたい。

はっきりと色が出ている子の絵を見て、「いいね」「色がよく出ている」「きれいだね」と、うんと褒めると良い。

十分にお分かりだと思うが、「絵を描く」という最高に楽しい活動をしている図工の時間に、子供を叱るなどとんでもない。

ちなみに、雑巾でなく、スポンジを使わせる先生もいらっしゃるかもしれない。
私は、筆洗バケツの下に雑巾を敷いて置かせるので、「雑巾」派だった。