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武器を持て

前回「俺の仕事は良いものを作ることじゃない」と言いましたが、それでもやっぱり創作をする者として評価されたい気持ちはあるわけです。
そこで、これが大事だなと思い至ったのがタイトル。
武器を持て、というのはまぁありふれた表現というか、どこかで見聞きしたり、なんなら直接言われたり、したことある人も多いのではないでしょうか。
僕がこの言葉を取り上げようと思ったのは、評価されたいへの回答として成り立つものであったことと、もう一つ、なんだかんだ隙の無い言葉だからなんですよね。
僕は何か一言で表せ系のものがあった時に、例外があって包括的でないものを嫌い、隙のない言葉を探したくなる性分の人間です。
格言には何かと穴がないかと反論してしまうような人間ですから、当然意味を拡大解釈したりもお手の物です。
そんな僕がこの言葉をどう捉えたのか、聞いて行ってください。

というわけでこんにちは。いしころです。
こうして文章に挨拶を差し込むことで流れを断ち切り、自己主張をしています。いしころです。
名前だけでも覚えて行ってください。いしころです。
こんな活動名だとすぐに忘れられてしまいそうですけどね。それこそ道端のいしころのことなんて誰も覚えていないように。いしころです。
そもそも、道端のいしころなんて一部の人しか見ていないので覚えてないって表現は不適切かもしれません。一部の熱心に見ている人はきっと忘れないでしょうから、って、やっぱりコアなコンテンツ? いしころです。

はい。悪ふざけはここまでにして、本題に入りましょう。
評価されたいなら「武器を持て」

まず断りを入れておきますが、ここで言う評価ってのは、良いとか悪いとか言われることではありません。
当然です。評価、という言葉の意味には価値を認める、とかそういう意味もあります。つまりは良し悪しの判断ではなく良いとするってことですね。

では武器を持てというのはどういうことでしょうか。
武器とは、戦闘時に自らを強化する道具です。
そのパワーアップするイメージは、例えば「鬼に金棒」なんてことわざからも分かるでしょう。
しかし、武器ならばなんでも良いというわけではありません。自分に合った武器を持つ必要があります。
鬼だから金棒でパワーアップできますが、僕が金棒を持っても重くてとても扱えたものではありませんし、鬼だって金棒を持つのと竹やりを持つのではパワーアップ度が違います。
また、鬼に拳銃を持たせたとしましょう。確かに強くなりますが、金棒を振り回せるほどの筋力が無駄になっている気がします。これも同様に合っているとは言い難い。
これが「武器」という表現に隙が無いと言った理由の一つです。
鬼でいうところの筋力、筋肉というのは今まで自分が培ってきた蓄積のことです。人間の範疇で例えるなら筋肉はもちろん、頭脳とか、体躯、視力、聴力、観察眼、とか色々と考えられます。
創作面に反映するとインプット関連のことが多くなりそうですかね。あるいはアウトプットの履歴。
自分の中にどれだけの情報や経験が蓄積されているのか。
それを活かせる武器を選ぼうというのが金棒だの竹やりだの拳銃だのの話です。

例えば、耳に自信があって音楽関連に強いこだわりがある、特にジャズが好きで多くの曲を聴いて分析をしてきた、という筋肉を持っている人が何か創作をするとして、安直に作曲に飛びついたとしましょう。
そこで自分の武器はこれだ! とダンスミュージックを装備したとします。
そしたらその人の武器はダンスミュージックになるわけです。
ただ、ジャズを分析したならジャズをやれば良くない? と思ってしまうわけで、ダンスミュージックは鬼に竹やりなわけです。
しかしここで考慮しなければならないのが、鬼に拳銃パターンです。上の例では無駄になっていると書きましたが、別に弱いとは言っていません。
拳銃を持っていたら鬼だろうと僕だろうとそれなりに強い。
つまり、蓄積とは別に、選んだ武器が良くて評価される場合もあるわけです。
また、鬼に重火器パターンも考えましょう。
どういうことかというと、筋肉モリモリだから重火器を軽々持ちまわせるってパターンです。反動とか全然気にしないんでしょうね。
音楽の例だと、ジャズに詳しいが故にダンスミュージックにそれを活かせた場合はこれになります。一見無駄になりそうだった蓄積が、活きる。
まぁ、これに関しては人間どこで蓄積したものが役に立つか分からないのでね、最初からこれを選ぼうとするのは無謀が過ぎると思いますけどね。
そして、作曲からは離れるんですけど、ジャズの知識を活かしてブログを書くぞって決めたのにダンスミュージックを扱ってたら、これは僕に金棒パターンですね。正気ならできる限り避けましょう。

と、武器選びが的を射ているというのはご理解いただけたと思います。
でも、まだ終わりじゃないんです。
武器が的確な理由その2。
武器は磨ける。
刀なんかを想像してください。刃物全般に言えることだと思いますが、上手く研ぐことで切れ味を良くできます。
創作に適応すると、ジャズをやるとして、僕は音楽には詳しくないのでよく分かりませんが、ジャズの中にもいろんな区分があります。その細分化されたところに突出させようというのは鋭くなっていますよね。
また、逆にジャズをメインに何か要素を足そうって言うのも武器の強化です。磨くというか銃器のカスタムみたいな感じですかね。イメージ的には。
とにかく、装備した後からでも強化できるのが武器ってことです。

さらにさらに、武器が的確な理由その3。
持ち替えることができる。
やっていくうちに筋肉のつき方がパワー型からスピード型に変わることもあるでしょう。そんな時に、今の自分に合った武器はこれだ! と別のものを装備することもできます。
結局は自分に価値を見いだせれば良いので、作曲をしていた経験すら蓄積として人に教える、なんてことをし出したらもうそれは完全に武器の持ち替えです。
創作ではないですが、芸人さんがネタをやらなくなったけど司会でずっとテレビに映ってるのも同じようなことだと思います。

まだまだ行くぞ、その4。
複数持つことができる。
メインウェポンとサブウェポン、さらには暗器みたいな考え方もするとたくさんの武器が持てますね。
作曲もするし、歌も歌うし、イラストも描いちゃう、みたいな。
結構、世の中にはいろんな武器を持っている人がいると思います。かく言う僕も文字書きだけじゃなくてイラスト描いたりもしているのでいろんな武器を持っていると言っても良いのでしょうかね。

そしてそして、その5。
これが一番言いたかった。
武器ってのは、基本的にオンリーワンじゃないんですよ。
もちろんエクスカリバーみたいに名前のついた剣なんかはありますけど、それは例外です。こんな天才的なことこいつにしかできねぇよ、ってのは例外的な事なんです。
剣も槍も、銃も爆弾も同じものがたくさん製造されています。
だから、創作においても自分の武器はオンリーワンのものじゃなくて良いんです。
違う鍛え方をしていれば同じ武器を使っても強さに差は出ますし、武器を選んでからどう扱うかもその人次第。
すぐ錆びつかせてしまう人もいれば、長く使う人もいるでしょう。

俺の仕事は良いものを作ることじゃないからナンバーワンじゃなくて良いし、持つ武器はオンリーワンじゃない。
でも創作物は俺だけのものだ。
誰かにも作れるかもしれないものを、俺が誰よりも先に作ったんだ。
だからそこに価値が生まれて、著作権という概念で守られるんですね。

ちなみに、僕の武器は何だろうと考えた時に浮かんだのが「反射神経と瞬発力」でした。
どういうことかというと、反射神経というのは思い付きの素早さです。無からのアイデアでも良いですし、何かを受けての思い付きでも良い。くだらないことだろうとアウトプットのネタとして認識する早さを反射神経と呼んでいます。
それから瞬発力というのはそれをアウトプットするまでの早さ。良し悪しはともかく、世に出すことが仕事なんだと結論付けた身としては大事にしなければならない武器です。
会話をしていてミーム汚染された脳がネタに塗れた返しを思い付き、一切の躊躇なくそれを口に出す。んで笑ってもらう。
そんな反射神経と瞬発力で飯を食っているのが僕なのです。
このnoteもだいぶ思い付きで路線変更していて、書いている内にどこに向かっているのか分からない、なんてことも多々あります。
それでも気にせず送り出す。それが僕の仕事であり、武器なんです。

実は今回の記事もだいぶ話が膨らんでしまっていて、当初の予定では某フードジャーナリストの文章が面白かったって話をしたかったんですが、どうもここに足しても蛇足になる気が。
ということで分けようと思います。
この話はそれを一つのトピックとして語らせていただこうかと。

はい。なので今回はここまでです。
普通に真面目な話しただけになっちゃったな?
まぁ良いけど。描く内容は俺の自由だから。

写真はねるねるねるね。
別に特段美味しいってわけでもないし、大人になって作ってみると意外と作業工程が少ない。
作業工程の多い作業に慣れてしまったことに気付かされてなんだか寂しい気分になった。
しかもやっぱり特別美味しくはない。
でも、なんか食べたくなっちゃうんだよな。
色が変わるだけで楽しいの、ズルいと思う。
ねるねるねるねすら羨ましく思える今日この頃。

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