(4)ブラックトライアングルホール ~出口の見えない煩悶~

あかつきです。歯列矯正日記 第四話です。

初めから読まれたい方は目次ページからご覧くださいませ。


#ブラックトライアングル
検索で出てくる出てくる。
たくさんの人が悩んでいるのがわかる。

中でも下の歯の隙間3ミリ以上の空白がある症例もあって、完全にこれ、トライアングルっていうか、穴だよ穴。大きな穴。洞穴だ。あーあ、歯で笛吹けそう・・・。
唇で隠れるから気にしませんとか言う人もいれば、気になるーーー涙ーーーっていうブロガーもいて。

歯列の画像を見ていると、関連記事で芸能人の歯を批評する、おせっかいなページがたくさん出てくる。なんだかな、全然ブラックトライアングルと関係ないのに、夢中になってつい読みふけって無駄に時間を消費してしまう。
芸能人って信じられないくらいにお金かけてんだなあ。セラミックだのなんだの、全てが人口の歯だったりする大物女優(きれい系の)とか、アイドル系女優のお口の中を事細かに分析して、何年の何月ごろの口元、と時系列に画像が並べたて、このときに〇〇の手術を何番~何番(歯の番号)で行ったと思われる、というような専門的な記録があったり、明らかに歯医者の視点で書かれている。そうなんだろうな、歯医者が作っているページなんだろう。仕事だし、そういう視点で人を見てしまうのかもしれないけど、でも大きなお世話だなあ・・・知ろうと思っていない人にまで知れ渡ってしまうのはどうなんだ。ただ、たくさんの人が歯をきれいにすることに高い関心を持っていることを改めてを思い知らされた。

ブラックトライアングルの画像としては、某お笑い芸人さんや某政治家、女性の某美人政治家さんが挙げられていたけど、印象としては歯が汚いと感じたことはないし、そんなもんかな、とは感じた。

さて、確実にブラックトライアングルからは逃れられないと言われた私はどの程度のそれになるのだ、程度による・・・黒いポッチくらい気にしないけど、発声が変わるくらいの隙間は困る。実際空気が漏れるので、発声が変わるという症例もあり。

見えない未来を想像し続け、ぐったり。
憔悴しきった精神状態で歯科にメールで問い合わせ。

夜遅くに送信したら、朝、カウンセリングをしてくれた先生から返事が来ていた。
すごいな、先生ずーっと仕事してるんだな・・・。

「上は別途手術で穴を埋めてもいいかもしれません。おすすめはしませんが、上ならば歯周病になりにくいので」
という回答。あー嬉しい。
私の質問。
「下の隙間は2ミリ以上できますか??」
先生にだって、わかるわけないのにこんな質問をしてしまう。
私は照明メーカーで働いているので住宅の照明計画の中でよく受ける質問
「これでは暗いですか?」「この場所の照明は絶対要るのですか? なくしたらどうなりますか? 大丈夫ですか?」
なくしたらその分明るさは減ります。それだけのこと。施主が満足するか、納得するかどうかなんて誰にもわからない。インテリアの内装によって反射率も全然違うので、わかりません、というのが本音。でもわかりませんというわけにはいかないので、
「JIS基準は満たしてます」「白いクロスなら、反射率が高いです(カーテンダークなのつけたらもう知らんよ)」などなどで慰める。
人の感覚はそれぞれですから、正解はありません。私はそれを毎日かみしめて仕事をしている。
なのに・・・

先生にすがりまくる私。
大丈夫って言って!
私の期待する言葉をちょうだい!

「隙間は2ミリ以下にはできると、確実ではありませんが、思います」
先生は慰めてくれた。

先生が言うのなら・・・2ミリ以下なら・・・下の歯なら・・・見えづらいもんね。信用した人が言うのと、あなたほんとに大丈夫? って一度不信感を抱いてしまった人が言うのとでは全く違う意味に聞こえてしまうから怖い。

結局、歯を削る方法なので、ブラックトライアングルができるリスクは比較的少ない、という答えを導き出していただいた。歯の逆三角形の根本の隙間がブラックトライアングルなので、形を長方形に近づければ隙間はできにくい。削るときに形を整えれば、ひどいブラックトライアングルは避けられるはず、ということだそうだ。

ネットでそう書いてあったので、そこに解決の光を見出して、
そうなんですよね、ねっ、ねっ、って、その言葉を先生の口から無理やり言わせたのだ。

先生とのやり取りで思った。
人の背中を押してあげるときって、嘘をつかない範囲で励まして、覚悟とあきらめを相手に与えてあげればいいんだな。同時に、失敗したときの対処方法も提示をすれば、前に進みやすくもなるということに気づく。

以下自分で導き出した納得論法。

下は見えにくいことと、隙間があっても舌がふさぐから案外ブラックのホールに見えない。(あいうえお、の発声をしながら鏡を見て気が付いた)
上はあまりにもみっともなければ、再手術する。

よし。
考えに考え抜いて・・・・決めました。

やります!

覚悟。2年のブラケット生活プラス、2年のマウスピース生活。丁寧な歯磨き、手入れ、食事制限。
完全終了するのは52才もしくはそれ以降・・・。

でも、美しい口元の52歳か。悪くないよな。
素敵な未来が見えた。

第五話 さようなら、ごぼう へ

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