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中国BLドラマ「Honey Sir」 (亲爱的先生)

主演:ドゥ・ラン(土豆純一郎)、バイ・ジュンユアン(白峻源)他多数
2020年 全7話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=GaGaOOLaLa公式サイトより)
(2021年6月12日 この記事を取り上げてくださった記事のリンクを追加)

7つの物語のオムニバスドラマ

中国のBLドラマは台湾やタイのものとは違って、大々的に宣伝されることもないようなので、ひっそりと出てきて、気がついたらあった!みたいなものが多い。かなりアンテナを張っている私であるが、これも気がついたら台湾のサイトに出ていた。本当に中国ドラマ?と思い、検索したら確かに南京で撮影された中国産ドラマであった。
2010年代のゲイの同性愛者たちの実話をもとにした、7つの物語からなるオムニバス形式のドラマで、1話が15分から20分と短いが、どれもなかなかうまくできていた。以下タイトルの日本語は、中国語と英語字幕から私が訳したテキトーなものである。

(1)カミングアウト(出) 両親にカミングアウトするか、どうしようか悩むカップルの話。
(2)密かな片思い(暗恋) 同級生をずっと密かに想っていた青年の話。 
(3)誤解(解) 同棲しているパートナーの浮気を疑う話。
(4)別れ(失去) パートナーが突然事故死し、きちんと別れを告げられなかったことを悲しむ話。
(5)遠距離恋愛(异地恋) 北京と南京で離れて暮らすカップルの話。
(6)出会い(相遇) 職場の先輩と恋に落ちる話。
(7)家(家) 姪っ子の面倒を見ながら家族を持つことを夢見るカップルの話。

誰にとっても恋愛は同じ

(1)のエピソード以外は男女だろうが、LGBTQだろうが、誰にとっても好きな人がいる人、あるいは付き合っているもの同士であれば、普通にあり得る恋の話である。同性愛者にとっても一目惚れ、片思い、嫉妬、浮気、別れはどれも男女のカップルとまったく同じであるということをあらためて見せてくれるエピソードであった。

普通の男女間では考える必要のないことが、この(1)の親へのカミングアウトである。カップルはどんなふうに伝えたら一番ショックが少ないか、いろいろと考える。結局いいアイデアが浮かばず、また今度考えようと思っていたら、何と両親が家にやってきてしまう。さて、二人はどうするのか。

主人公も異なる、オムニバスのそれぞれ独立した物語なので、順番に観なくてもいいが、(7)だけは全エピソードの締めくくりとなっている。カップルが二日間、姪っ子を預かるのだが、最初はうざくて面倒くさかったものの、だんだんと“子育て”を通して、二人だけでは見ることができない景色があることに気付いていく。

男性同士でも指輪のプレゼント

中国ドラマではよく“忖度タイム”(笑)でジュエリーブランドが登場するが、本作では指輪が登場するエピソードが2つあるものの、ブランドは出てこない。まあ中国だし、同性愛のテーマだから、スポンサーが前面的に出ることはないだろうが、フォローしている一條心さんのこちらの記事によれば、ゲイカップル用の指輪(ブライダルリング)の広告を打ち出して、アピールしているブランドもある。実際に購入された体験談はこちら↓

出演俳優たちもそう有名どころはいないようだが(私が知らないだけかもしれない)、隣にいそうな、普通の感じがとてもよかった。また、中国BLというと「Addicted ハイロイン」のような未完作品や、「双程」のような悲惨な結末のもの、それでなければ私は観ない時代劇ブロマンスのようなイメージだが、これはタイのBLドラマなどともまた一線違う、ほっこりとできるドラマであった。

(2021年5月4日 リンク修正)
予告編をリンクしていたが、削除されているので、本編をリンク。Youtubeで公式配信されている。

(2021年6月12日追記)
ch0ahaeさんがこのドラマのエピソード1「カミングアウト」についての素敵な記事を書いてくださいました。こちらも合わせてご覧ください!