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政治を語るのに怨念も憎悪も要らない

ブログエントリーより転載
2024/07/27


 わりと歴史が好きとわかると結構聞かれることが多いのは
「歴史上の人物では誰が好き?」
「三英傑では誰が好き?」
 答えは「誰も」です。

 人殺しは好かぬ、権力者は好かぬ、キチガイは好かぬと決めているので、そうなると歴史上でメジャーな人物なんてほとんどが「好かぬ」ことになります。

 ここでガッカリされると申し訳ないなーとは思うのですが、だからって、さらにうっとーしーのは
「権力者を好かぬ」
 と言ってるだけなのに、目を〝怨念で〟輝かせて、現行の政治家や政治体制への悪口を一気に喋り出す人。

 本気で勘弁してください。
 
 好かぬ、というのは文字通りの意味です。

 好かぬというだけであって「恨む、憎む」とは言っておりません。

 好かぬというだけですから、相手が誰であろうと、同じ人同士として、相手には敬意はちゃんと払いますよ。
 無作法なあなたと一緒にしないでいただきたい——と本当に言いそうになっているときもあります。

 わたしの立場は一般市民ですから、権力者を好かぬというのはいわば「マナー」なんですよ。
 心理的にケジメというもの、そのラインを引いているだけのことです。

 権力者を好かぬことがなぜ一般市民としてのケジメになるのか。
 権力という立場にあるもの、そのロジックもあるいは苦衷も、「知識として」知っているけれど、それだけでもう充分、互いに馴れ合わないことが大事だとわかるからです。

 それだけのことです。

 政治的な意見として、合う、合わない、があるのは仕方ない。

 内政でも外交でも、政治は多くは利益のぶんどり合戦です。(そして分配)
 立場によって、互いの利益が合えばよし、合わなければ相応にやり合うことになる。

 これは情の話ではありません。
 利益の話です。
 昨日までは利害が一致していたけれど今日は違うということはある。

 そういうときに、お互いに、足を取られることがないように、立場の違いの一線を引いておくことが、庶民には必要なケジメだと思うわけです。

 そういう性質のものですから、感情的な好き嫌いは本来は関係ないんですよ。

 ましてや、恨み、怨念だなんて。

 そういうのをルサンチマンてんだよ知ってっか——と、内心ではうんざりしながら顔を背けることが多いです。

 Twitterでもそういう怨念の塊みたいな、そして自分こそが正義の味方だという態度の人を見ると、思想の立場がどこにあろうととりあえずブロックしてます。

 怨念は重いから嫌なんですよ💧

 そんなもんに引きずられるのは真っ平です。

 権力者に対しては好悪を持たず、利害で判断する。
 と言っていながらなんで「好かぬ」とわざわざ自分で決めているかというと、自分で言うのもなんですが、わたくし、基本的にお人好しタイプなので。
 ボーッとした状態でいるとき、「デフォルト」状態では、他者に対しては基本、好意的です。

 全く見ず知らずの人に会ったとき、それでも相手に対する態度はまずは「好意的」から始まります。
 親切なタイプですね。自分で言うと面映いですけど。

 つまり、放っておくとまずは好意から入ってしまう。
 だからわざわざ、権力者は好かぬ、と設定して、好意に振れている目盛をゼロに戻している。
 そういう事情です。

 ちなみに。
「権力者」は、トップにいる人もそうだけど、立場上その位置にいる人という意味ですからね。
 総理大臣は罵倒するけど野党の国会議員には大甘、なんてことはわたしにはありませんので悪しからず。

 過大な期待でもなく、異常な怨念でもなく。
 可能な限りフラットに、政治と経済(この二つは同位体と言いたいほどに密接に関係があるのでまとめます)を語れる人がいたらありがたい。

 ありがたいけど滅多にいない。

 ましてやSNS界隈では。

 ということで、普段はあまりこういう話をしないでいる。
 そんな事情です。

 いずれにしても怨念は人の心を汚します。悪いことは言わないから、そんなもんでしか測れないなら、政治に関心を持たないでいる方がむしろ御身のためと存じます。

 政治も経済も「自分ごと」ですから、関心を持つのは、いい悪いじゃなくて「当たり前」のことだとは思うけれど。
 その負荷に耐えられる人は、案外、この世には少ないのかもしれません。

 わたしもこんなボケた顔してぼやーっとしている人間だから、ある意味、甘く見られるのも仕方ないとは思いますが。
 案外、腹の中は、このようにかなり辛辣だったりするのです。

(これでもまだ何倍かは希釈している)

 好き嫌いは人一倍、激しいほうだと思います。
 だからこそ、そこをフラットにしよう、と心がけて生きてきた。
 そういうことだと思っています。


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