生きてるみたいに、死んでるひと
死んだように生きる、って言葉があるけど、生きるように死んでる、ってこともあるよな、とふと思った。
わたしの記憶には、まさかもうこの世にいないとは思えない人がひとりいる。頭の中には生きてる彼女がいて、いつも静かで、体育の授業のバレーボールではレシーブが下手すぎて空気が固まるほどで、白い肌と空気に透けそうな茶髪がかわいくて、白い花に囲まれてそうな小柄な女の子で。いつも少しだけ笑って、そしてうつむいていた。彼女とわたしは同じ高校の隣のクラスにいて、体育の授業で一緒になるだけで、な