
色彩検定勉強のために開発したゲーム「めくとる 目指せ!配色技法マスター」
どうも、いせごんです。
今年の4月ぐらいから色彩検定の勉強をはじめました。ボードゲームのカードやパッケージのデザインを考える中で、配色を勉強したいなと思ったのがきっかけです。
勉強していく中で、大きな壁が出てきました。
それは配色技法です。
配色技法の名称は覚えられるけど、組み合わせを見て、どの配色技法かを答えるのって無理ゲーじゃないか?と・・・
かといって自分で配色を考えて作って繰り返しやるのはちょっと面倒だなー。なんか遊びながら学べるゲームとかあったらいいんじゃないの?ってか自分ボードゲーム作ってるんだし、作っちゃえばいいじゃーん!
って感じで作りました。
大きな壁があって、そもそもPCCSってRGBとかCMYKと互換性がなくて完全置換できないっぽいですよ。というわけで近似値になってしまいます。
これは困った。。。
複数のWebサイトに情報は載っているものの、これを根拠に作るのはなんだかちょっと違う気がする。。。
一応大学院生なんでね、CiNii論文でちょろんと検索してみました。
検索一発目で、はっけーん!!!
PCCSトーン代表色のCMYK値について
日本色彩学会誌だし、新配色カード199aを出している「日本色研究事業株式会社」の方だし、これを根拠にしても大丈夫だ!
というわけで、ここに載っている情報を参考にパレットを作りました。
超絶細かい作業で、数値にミスがないか全部3回確認して、これを作るだけでも、息抜き含めて5時間ぐらいはかかりました。
途中何度も「これを作るんだったら、配色技法を勉強した方がいいんじゃないか?」という誘惑に負けそうになりながらがんばりました。
さて、これができたはいいものの、肝心のゲームはどうすんのさ?って感じでゲームシステムを考えていきます。
そんなすぐに出るわけでもなし。
ってわけで、必死に考えて出たのが「めくとる」システムが使えそうってことです。
ルールは超絶簡単、逆かるたです。
1)出てきた配色を見る。
2)使われている配色技法の名称が書かれたカード(配色技法カード)を取る
だけです。
実物を使ってルールを説明していきます。
こんな感じに並べます。
真ん中の山札からカードを1枚めくる。
山札の一番上の数字を確認。
その数字の配色が今回のお題です。
パッと見て、なんの配色技法がわかりますか?
作ったあなたはわかるでしょって?
なんのために作ったと思ってるんですか!楽勝なわけないですよ。
配色技法カードの裏側には、その配色技法のお題が全部載ってます。
あれ?わからないぞ!ってなっても安心です。
お題カードの裏面の数字と色も検定向けにこだわってます!笑
2:R、8:Y、12:G、18:BってPCCSを書くのに役立つ「心理4原色」です。ここテストに出ます(まじです)
↑箱に入れるカードの順番にもこだわって、2→8→12→18の繰り返しで入れました。届いた方はシャッフルせず確認してみてください!笑
そして、配色技法カードはPCCSの24色を8等分したものになってます。これでカラーサークルも視覚的にばっちり!(配色技法が8つなので、心理四原色+心理補色も考えたのですが、8等分の方がきれいかなと思ったのです・・・)
実際にどのくらい再現できているかを色彩検定の教科書と新配色カード199aと比較してみます。
印刷会社から「完全再現は難しいですよ」と言われてたのですんごい不安でした。もし再現が微妙だったら、約4万円+これまでの数百時間(配色やカードや箱のデザインなど考えては印刷→修正を永遠と繰り返し)がただの無駄になるので・・・。
こうしてみるとsf系の再現度は良さそうで、教科書とほぼ同程度、いや…少し劣るぐらいかなと思いました。新配色カード199aに比べると、完全に劣ってしまうのは性質上仕方ないですが、十分実用的かなと思います。
しかし、多くの場合において、それらしく色再現されますので一応実用的に使える範囲ではないかと思われます。
畠山富雄(2004)「PCCSトーン代表色のCMYK値について」,『日本色彩学会誌』,28(4),pp.271
と書かれているように、実用的の範囲だと思います。
内容物は説明書からの抜粋ですが、以下の通りです。
複数人でも遊べますが、一人用の遊び方も考えてみました。
内容がニッチということもあって、一緒にやれる仲間も限られてるので基本的には一人遊び(または学習)が多いかなと思いますが、専門学校とかスクールとかで色彩検定を勉強している仲間がいらっしゃるところには最適かなと思ってます。あとはファッションやデザイン、美術とか色彩の勉強をしてきた仲間が多いところとか、ですかね。
欲しい方へ
というわけで46個用意しました。(ちゃんとしたボードゲーム専門の印刷会社にお願いして印刷してます)
以下のサイトから購入できます。売り切れの場合はすみません。再販する予定はございません。
※値段なんですが、ゲムマ参加代とかいろいろあって利益あるように思えますが、全部売れたら牛丼食べられるかなーぐらいです。
こういうゲームをぜひうちで商品化したい!!
って企業の方がいらっしゃれば
ご連絡お待ちしております!!
大歓迎です!
TwitterのDMお待ちしております!
以上、終わりっ!
11/3追記
購入していただいた方から以下のようなメッセージをいただくことができました。
私自身も非常に感謝しています。というのも、このように伝えて頂けること自体が製作者としては本当に嬉しいことなんです!!!!ものづくりしている方は確実に共感して頂けると思います。
そして、さらに2つの気づきをいただけました。
1つは、配色技法カードを裏向きにして同じ色を探すゲームにもできること。自分自身は全く想定していなかった遊びで、同じ配色を見つける(ようするに似た配色技法の集合群を見つける)ことで色彩感覚をより高めることができると感じました。
もう1つは、知育教材としての可能性です。この方はご自身の勉強と5歳になる娘さんとの遊びを両立していました。5歳の娘さんも楽しみながら遊びつつ、色彩感覚を無意識に学んでいるのではないかと思いました。
終わりに、実はこのメッセージ以外にも複数の方から感謝の言葉や色彩検定の過去問の点数が高得点になった報告もいただいています。自身の学習用に開発したゲームがいろいろなところで遊ばれて、役立っているのも聞くと嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
他にもこんなゲームを製作しています。
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