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(3) 血液型

「A型ぽいね」
「違うよ」
「じゃあB型?」
「おい、バカのBってか?違うわ」
「じゃあOか」
「ABだわ」

 こんな調子だから、血液型は単なるプラシーボ効果だと早いうちから気がついて、血液型談義を持ちかけられてもけんもほろろに対応をしてきた。A型は几帳面でB型はおっちょこちょいでO型はマイペースでAB型はミステリアス。確かに僕は変なところ几帳面で、おっちょこちょいでマイペースだけど、ABO型ではない。B型を小馬鹿にしたのはほんのジョークだから許して欲しい。

 試しに血液型の特徴みたいなものを検索してみた。どれくらい当てはまっているだろうか。


①独創的なアイデアを生み出す
 悔しいけど違う。もし本当に独創的なアイデアを出せるようなアイデアマンならばもっと面白いnoteが書けるだろうけれど、僕にはそういう方面の才覚はさっぱりない。

②流行をいち早くキャッチする
 全然違うと思う。世情に疎いとよく生徒たちからいじられる。実際流行には関心がないというか、コミュ障出不精みたいな生活を好んでいるから、情報の入り口がないという方が正しいかもしれない。

③人とは違う視点で物事を見る
 なんかこれ、フローで考えると①に包括されているような・・・

④自分磨きや趣味に没頭する
 自分磨きは全くしていない。花山薫が「強くなるために努力することは女々しいこと」と言っていたのをきっかけに、アンチ筋トレになった。スキンケアはしない、髪は1000円カット、服は古着とGUとユニクロ。趣味は旅上で資産の大半をつぎ込んで海外に逃避行していたので没頭とも言えるかもしれない。

⑤バランス感覚が優れている
 体幹のことなら自信ある。


①頑固で身勝手な行動をとる
 頑固は知らないけれど身勝手はそうだと思う。高校時代に、学校行事で早慶戦を観戦しに行ったことがあったが、僕が明治神宮ではなくて表参道で降りてプラプラ街を歩き、神社などを見つけてはくじなんか引いて遊び歩いていたものだから、出席確認が終わらず、他校を巻き込んで入場が遅れるという珍事件を起こした。学院長に怒られたけれど、なんて言われたのかよく覚えていない。ただ大吉を2つ引いたのはよく覚えている。慶應が勝った。

②人の気持ちを察するのが苦手
 感受性や共感性が高い人の記事を読むと時々共感できない瞬間がある。それは「僕は何も考えずにのうのうと生きているから」というような感覚というよりは、「そんなに視野を絞って考えたりはしないなぁ」というような、ピントの合わせ方への違和感である。もうこの時点で「人の気持ちを察すること」が得意だなんて言えないけれど、でも上手な人って逆にいるわけ?というのが僕の肌感だ。相性と場面に依存しすぎる。

③自分の気持ちをうまく言えない
 はっきり言う方だけれど、言葉の恣意性というか、伝わってるかどうかはわからない。

④小さなことでも気になって心配
 こういうのは状況によるだろう。心配した方がいい場面はごまんとある。

⑤自分のペースを崩されたくない
 そう思わない人、この世に存在するのか?


 やっぱり、当たり障りのないことしか書いてない。多分A型やB型のやつを読んでも当てはまったり当てはまらなかったりするのだろう。こういうのを本気まじで信じている人と同じくらい、本気まじで冷笑している僕も呆れた人間である。

 そうそう、血液型由来で一個だけ不思議なエピソードがある。というのは僕の友人には極端にAB型の人が多く、また過去の恋人もAB型が8割を占めている。人口比率で言えば1割程度のAB型がこんなにも集中するのだから、何かしらの因果がありそうだが、これ以上の詮索はやめとする。

 血液型でエッセイを書こうとするとこうも凡作が生まれるとは。やっぱり僕は「独創的なアイデア」を生み出せないし、血液型占いは嘘っぱちである。


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