私に仕事を教えた100人 音楽業界編#2「じゃ、帰るわ」
その音楽プロダクションの社長は、何もかもがステキだった。
彼女は、イギリスの王族が乗るようなカッコいいクルマに乗ってやってくる。運転するからなのか、飲めないのか、お酒は口にしないので、彼女と酌み交わしながら語ったことなどは一度もない。
それより、いつも話が短いのである。
この人は、会議室に入っても余計な話をせずに、用件がすんだらスパッと終わらせるタイプだった。自分の感性を何よりも信じている人で、なにしろ判断が早い。
一般の大企業にありがちな、資料を画面に映しながら、長