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ゴールド 金と人間の文明史-42 南の島 -太平洋ー の発見

ヨーロッパ人で初めて太平洋を発見したのはスペイン人のバスコ・ヌニェス・デ・バルボアだった。

バルボアは開拓者としてヒスパニョラ島(現在のハイチ島) -ヒスパニョラ島の中央部では金が採れ、スペイン人はそこで採鉱のためにインディオをこき使ったため、10万人いた先住民が1519年にはわずか2000人に激減してしまい、そのかわりとしてアフリカから多くの奴隷が輸入されていた- に移住した。

さらに、彼はその島を離れダリエン -パナマ海峡とコロンビア北岸の接する地域- へ向かった。

ダリエンでは、どこか南の国に莫大な金が眠っていて、その近くの未知の海を行けばそこへたどり着けるという噂が流れていたからだ。


1513年に、バルボアは190人のスペイン人の隊 -そのうちの一人がフランシスコ・ピサロであった- を組織して金の源泉とまだ見つかっていないアジアへの航路の謎を解くために遠征に出発した。

そして、ついに南の海 -これがのちの太平洋である- に到達し、インディオの集落でおびただしい金細工を発見すると残忍なまでに略奪 -このあとのスペイン人もこの残忍さを踏襲- した。


太平洋発見という偉業を達成したにも関わらず、バルボアは当局とのいざこざが絶えず、さらなる金を求めてペルーに向かう計画を立てていた時に反逆罪で捕えられ斬首刑に処された。

この処刑を命じられたのは、かつての部下、フランシスコ・ピサロだった。


ゴールド 金と人間の文明史 ピーター・バーンスタイン



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