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メタバース構築の最有力候補 / 企業価値3兆円「Epic Games」について

こんにちは。Infinity Venturesの西島です。

今回はFortniteを運営するEpic GamesについてGWで少し調べていたので、めちゃくちゃ雑にまとめたいと思いますw

XRやメタバースの分野について、Alex KipmanのTEDを見てから興味あり、最近もOff topicのメタバースの話や昨年の国光さんへのインタビューで調べた意欲が溜まってきていたので、まずは一番有名なところから調べてみました。

Epic Games創業ストーリー

まずは誕生したところから調べていきましたが、いくつかある日本語の記事やブログの中でSan Francisco在住のVC 「@TeppeiTsutsui」さんのnoteが丁寧にまとめられた情報があったので詳しくはこちらを読んでくださいw

短く要約すると以下になります。

Epic Gamesの創業者Tim Sweeneyは他の天才起業家のご多分にもれず、小さい頃からPCに触れプログラミングを学んでいた。
メリーランド大学でメカニカルエンジニアリングを学んでいた21歳の時(1991年)、Timが「ZZT」というゲーム開発し、Epic Gamesが誕生。

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幼少期のTeim Sweeney

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Epic Games誕生のきっかけとなった「ZZT」

Tencentが大株主

その後、数々のゲームやUnreal Engineの開発を行なってきたEpicでしたが2012年に大きな転機を迎えます。

2012年6月に株式の40%を引き換えにTencentから$330Mの資金調達を行いました。

21012年はゲームのビジネスモデルの変換点でした。今までのソフトの売り切り方から「Free to Play」への変換です。

Free to Playは今では当たり前に感じますが、マネタイズの方法がアイテムなどへの課金へと大きく変わるため会社にとってはかなり大きな変換点となったはずです。

今でもゲーム内の服に課金をする人の気持ちがわからないと社内のSlackでも話したりしていましたが、Epic Gameの資料を見ると2019年のデータではMAUの12~22%がおよそ$30の課金を行なっているとのことです。

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話は少しそれましたが、Epic GamesはTencentから調達した資金で、「Paragon」「Unreal Tournament」「Fortnite」という3つのFree toPlay型のゲームを開発しました。

Tencentは他にもRiot Gamesなど多くのゲーム会社に投資を行なっています。その情報は以下のnoteからチェックできます!

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Paragon

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Unreal Tournament

Fortniteのメガヒット

開発を行なった3つのゲームのうちFortniteがメガヒットを記録し、2020年5月の時点でプレイヤーは3.5億人に達したそうです。

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若干余談ですが、「@TeppeiTsutsui」さんのポッドキャストではFortniteの開発には色々とゴタゴタがあり6~7年くらいかかったと言われていました。

またのちの話に繋がりますが、Fortniteがユーザー数を伸ばした一員として、パソコン、スマホ、ゲームコンソール(Xbox、PlayStation、Nintendo Switch)のいずれの機器同士でも同時に接続して利用できるマルチプラットフォームにしたことがあります。

メガヒットを記録したFortniteですが、ニールセンのゲーム市場調査ユニットであるSuperDataの行った調査によれば、2019年のフォートナイトの売り上げは18億ドルだったとのことです。さらに、Business of Appsの調査では、ユーザーの7割はアプリ内課金をしており、平均して85ドルを費やしていると報告がされました。

CEO:Tim Sweeneyの思想

 Epic Gamesの思想詰まるところ、CEOであるTim Sweeneyの考え方として常にオープンにすることを好む傾向があります。

実際の行動としては自社のゲームのソースコードを公開したり、MSやAppleのクローズドなプラットフォームへの批判を行なっています。

Epic GamesはOculusに投資したFPSであるRobo Recallが無料でダウンロードできるだけでなく,ソースコードにアクセスすることで完全に改変可能にすると発表した。その理由についてSweeney氏は,VRデベロッパを志望する人やこの技術を把握するのに苦戦している人に,内容を具体的に見えるようにし,ゲームがどのように作られているかを理解させるためだと語っている。この見解は,彼らが自身で魅力的なVRゲームを作成することを助けるだろう。(上記記事より引用)

VS Apple

Timのオープンな考え方が昨年のApple税に対する訴訟問題につながって行きます。

詳細はOFFTOPIC ↓↓

Appleへの批判として30%が高いという言い方ではなく、競争がないことを主張しているとのことです。(AppleではApple Storeを通じてしかアプリがダウンロードできない。Macではブラウザからダウンロード可能。)

メタバース

さらにオープンな考え方はメタバースへと繋がって行きます。それは今後メタバースが実現した際に特定のエンティティへ権力が集中する中央集権への恐れからです。

日本ではあまり議論が少ないですが、特にアメリカでは「ケンブリッチアナリティカ」の問題を筆頭に、FacebookやAppleと言ったジャイアントテック企業がビックデータを使って人々を行動を操作し、民主主義が脅かされているという問題意識が強い気がします。

Tim自身も「特定の人物が創り出すものではなく、全員がクリエーターになる。」と述べています。

また、メタバースについては詳細については予想できないと述べていますが、以下のようにも述べています。

Eventually, we’ll open up the economy. And the other games will do this too. And I hope that we can a decade from now have players playing Minecraft, Roblox, and Fortnite clients and be in the same world with the same social connections to each other.”

将来的には現実世界で渋谷に買い物をしに行ったり、富士山に山登りをしに行くように、バーチャルにおいても一つの世界の中でFortniteにシューティングゲームをMinecraftに建設や町づくりをしに行くような体験になるのでしょうか。

In the future, he said, “For like the price of a smartphone today, you’ll be able to get augmented reality hardware in the future that is better than the physical experience with the 60-inch television, which is going to be a lot more expensive. Because the manufacturing costs and materials used are so much less and more efficient. They’re one thread of this idea that we’re living more of our lives online.”

近い将来、現状のVRの製造コストが下がっていったり、ハードウェアの垣根を越えた同時接続がさらに多くなることでこう言った世界が実現されるのでしょうか?

メタバースについては個人的には「リアルとバーチャルが融合して見分けがつかない世界」だと考えています。それが、渋谷に買い物をしに行く感覚でFortniteへシューティングゲームをしに行く体験や、部屋から出ても服(アイテム)が消えないように複数のゲーム感でのアイテムを使うことができる世界観などに繋がっていくのだと思います。

今はSaaSやSNSと言ったインターネットサービスを現実世界にスマホやPCを通じて実装(構築)している感覚ですが、メタバースを実現する上ではXRのデバイスによってネットの世界に現実世界を構築していく感覚になるような気がしていて、そのための技術を開発するスタートアップがこれからどんどん活躍してくと思っています。


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