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うるおいを守れ!湿地帯ビオトープに遮水処理をしてみた

わたしの庭には、造成したばかりの湿地帯ビオトープがあります。近隣に棲んでいる、いろんな生きものがやってくるかもしれないビオトープ。どんな生きものが来ているか確認するのが楽しくて、見回りするたびにワクワクします!

そんなビオトープに事件が起きました。
春の終わりごろ。初夏のような暑さが訪れたある日、なんとビオトープが干上がってしまったのです∑(゚Д゚;)

湿地帯はどこへ!?

今回つくった湿地帯ビオトープは、その名の通り水たまりと陸地と、それらをつなぐなだらかな坂でできています。このため水辺・陸地の両方の生きものが来るかもしれない!という点が特徴なのですが、干上がってしまっては元も子もありません。さっそく原因を調べることにしました。

干上がった原因をさぐれ!

わが家の湿地帯ビオトープをおおざっぱに図示してみました(色筆ペン楽しい!)。

真っ先に思い浮かぶ原因は、湿地帯ビオトープの下から側面にかけて敷いた防水シート(軽トラのホロ)に穴が空いていること。ただし、シートを敷いたときに穴がないことを入念にチェックしたので、この可能性は低そうです。水を張ってから数日間はほぼ水位が保たれていたことも、シートに穴がないことを裏付けていると思います。

次に思い浮かんだ原因は、ものすごい勢いで水面から水分が蒸発していること。水たまりの底や側面から水が漏れていないと考えられる以上、上方向へ水が出ているとしか考えられません。とはいえ、水たまりの水温はある程度低く保たれているので、もくもくと勢いよく水分が蒸発していっているとは考えにくい。。

考えが行き詰まったので、あらためて湿地帯ビオトープ全体をよく観察することにしました。

よーく観察すると?

注水した翌日の湿地帯ビオトープ。写真全体に
濡れた土(こげ茶色)が広がっています。

よく観ると、水際から水たまりの外へ向けて、湿った土が広がっていることに気がつきました。晴れの日が続き、わりと強風が吹き続けていたのに、一向に乾く様子がありません。どうやら水辺の土がスポンジのようにはたらいて、水たまりの水を吸いあげて外へ逃しているようです。図にするとこんな感じ?↓

じわじわ滲みて、吸い上げられて、大空へ?

確証はありませんが、ほかに土がずっと濡れていることについて理由が見当たりません。土を構成する砂の粒の表面張力が毛細管現象を起こして水を吸い上げている…つまり不思議水ってことやな!と思いました(どん)

ひとまずこの、土による水の吸い上げをどうにかする手立てを考えることにしました。

水の流れを断て!

思いついたのは、バリアとなる遮水シートを土に埋めて、水の流れを断つ貼るという方法。むかしどこかの林道で、薄いゴムのシートが立った状態で土に埋められていたのを見たことがありました。あれはたしか、土の表面と地中の水の流れを遮るためのものだ…と、誰かに教わった記憶があったのです。

遮水シートによって土中の水の流れを断つことができれば、
蒸発の勢いが弱まるかも・・・?

たいそうなシートはわが家にはありませんが、畑に土を入れたときの丈夫なビニール袋があります。これを使って、遮水してみることにしました。

遮水処理をやってみた

「なんかに使うやろ」と袋を捨てなかった過去の自分、えらい!えらいぞー

まず、袋を縦方向にカットして、幅10cmの遮水シート帯を何本も作っておきます。次に、この帯を埋め込むために、湿地帯ビオトープの水辺の土を少しどけておきます。

すこし土をどけると、防水シートが出てきました。

土の感触が、においが、子どものころにやった田んぼ体験や川遊びを思い出させてくれます。これぞ湿地帯ビオトープの醍醐味の一つです。

土をどける前
土をどけたあと

さて、一周ぐるりと土をどけたので、ここで先ほど作った遮水シートの帯を並べていきます。

ぺたっ

さぁ、いよいよ埋めていきます。このとき、水を吸うスポンジの役割を果たしている土どうしのつながりを断つことが目的なので、水辺の土と陸地の土が一切触れなくなるように注意します。

下から防水シート(池の底)、遮水シート(バリア)、土の順になるように徹底します。
防水シートと遮水シートの間に土が残ると水を吸い上げてしまうので注意!

遮水シート帯を埋めて、立てて、埋めて、立てて・・・を繰り返します。

端っこは立てる

このとき、遮水シート帯の端っこ同士を重ね合わせるようにして、隙間から水が逃げないようにしました。

遮水シート帯は重ねて、できるだけ水が逃げないように。

ぐるっと一周埋めたら、こんな感じになりました。

施工完了!

これでひとまず作業完了です。
自然な景観を目指す湿地帯ビオトープにおいて、パンの耳のように出っ張ったシートがちょっと無粋に思えますが…。ここで土を被せてシートを隠すと、あらたな土の繋がりができて水を吸い出してしまうかもしれません。シートの効果が分かるまでは、このままで我慢です。やがて芽生えた植物たちがシートを隠してくれたらいいんだけどなぁ。今後に期待です。

あれから2週間後

やったぜ!

水が濡れている土が、遮水シートの内側にほぼ限られるようになりました。多少シートの外側へしみ出ていますが、水位が減るいきおいはグッと遅くなりました。うれしー!
これなら、干ばつが続きそうな時期以外は注水の必要もなさそうです。

おわりに

湿地帯ビオトープをつくって、本で紹介されていた通り土でエコトーンをしっかりつくったのに、ガッツリ干上がっちゃったよというそこのあなた!ひょっとしたら遮水シートが解決のお役に立つかもしれません。土の種類を変える方法などと合わせて試してみてください。

僕のビオトープの様子は今後も発信していきますので、どうぞまたnoteを見に来てくださいね!お待ちしています!

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