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日々の断片

日本に帰国したら読みたい本と行きたい場所と買いたいものがたまりにたまっている。amazonの欲しいものリストに追加してはぐへぐへと眺めている。


日が長くなってきた。太陽が昇っている時間は今、東京よりも長いと思う。調べていないからわからないけれども。体感。夜の9時を過ぎても明るさが残っている。したがって、冬眠から覚めた熊のように人間の動きも活発になっていて、寮の中庭で酒盛りをする人たちの酒盛り終了時間は午前2時を回るようになった。騒いで、酒を玄関口にばらまく習性がある人がいるようで、寮を出入りする際に必ず通らないといけない玄関口が酒でべとべとしていて不快である。すこぶる不快である。


Margateという海辺の町にコースの日帰り旅行で行った。久しぶりに海を見て、久しぶりに波のきらめきと音を聞いて、ああ、海とはいいものだなと思った。内海でもないのに波がほとんどなく、穏やかな海であった。「春と秋の海は瀬戸内がいい。夏は太平洋。冬は日本海。」と語ったのは誰だっただろうか。帰路の列車の車窓からみえる、延々と続く若草色の平原とその合間にぽつりぽつりと点在する集落がイギリスと日本の国土の違いをありありと示していた。ロンドンまでの2時間弱、窓の外を眺め続けていた。旅は漂泊の感情を抱かせると三木清は言うけれども、それは当たっているかもしれない。


パソコンのキーボードの間にシャープペンシルの芯が入ってしまった!2mmくらいの芯だったけれども、電化製品の中に黒鉛が入るのは故障につながるということを知っていたので(小学校で貸し出されるパソコンを使うときは、ボールペンも一緒に渡されて、鉛筆やシャープペンシルの使用は禁じられていたことを思い出した私えらい。)修理に出した。4時間くらいで修理は終わって、ホクホクしながら帰った。


学年の末が近づいている。学部課程でテストが終わった人が続々と実家に帰っている。だんだんと食堂で見る人間の数が減っている。早朝に離陸する飛行機に搭乗する子が転がすスーツケースの音が深夜3時とかに聞こえてくる。彼らはどのようにして空港まで行くのだろう。終電時間は過ぎているだろうに。と思っていたが、ウーバーとかで空港まで行くらしい。そうか、その手があったかと感嘆した。私はまだあと1ヶ月くらいロンドンにいるけれども、そろそろ冬物をクリーニングに出し、日本に持って帰らない荷物を置いておくレンタル倉庫を探さなくてはいけない。一年が終わっていく。

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