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2024年7月22日

なんか楽しかった一日だったから。

7月22日は楽しい一日だった。この夏、私の予定帳には週3でインターンが入っていて、週3でバイトが入っている。つまり、一週間の中で休みが一日しかない。別に私が希望してそうしているからいいんだけど。一週間の中で唯一の休みを有意義なことに使おうと毎週考えているけれども、そう物事はうまく進まない。基本だらけているうちに一日が終わっている。先週の休みだって、本当は眼医者に行ってコンタクトレンズの調整をする予定で目覚めたのに、向かった先はブックオフだった。結局、眼医者には行かず雨に濡れながら自転車でびしょびしょになって帰宅した。帰宅したとたん雨があがって、雨雲が、私の手が届く距離にあったのなら元の形がなくなるまで殴りたい気分になった。

散々だった先週の休みとは反対に、7月22日は基本的にいい日だった。朝6時30分に起きて、朝ごはんを食べて二度寝した。本当は朝10時に眼医者に行く予定だったけれども、二度寝から目覚めたのは10時30分だった。しょうがないから、干して3時間しか経っていないのにぱりぱりに乾いていた洗濯物を取り込んで、畳んで家族のそれぞれのクローゼットの前の所定の位置に置いてきた。で、眼以外の部分に化粧を施して眼医者に行った。話が脱線するけれども、肌の色が白く、乾燥肌で化粧が下手という救いようがない顔と技能を持つ私は、年がら年中ファンデ難民だ。基本、国内メーカーの一番明るい色でも私の肌の色よりも暗い。海外のファンデは量が少ない割には値段が高い。すっぴんで電車に乗っていた私を見て、「大人なのにファンデもつけずに電車に乗るなんて」と言っていた女子高生たちは私に、私の肌の色に合うファンデを教えてほしい。なさ過ぎて諦めの感情が生まれるから。

話を戻して。眼科は週の初めの月曜日ということで混んでいたけれども、なんの問題もなく終わった。気温30度の中、火傷しそうな熱さのサドルに跨り帰宅。眼の部分だけ化粧を追加して昼食。外に出してあったごみバケツも家の中にしまった。

貴重な休みだからたまには遠出をしようと思い立った。幸い、訪れてみたい場所は山ほどある。ロンドンにいる間、リストアップしておいたのだ。化粧もしているし、準備は完璧である。市ヶ谷にある市谷の杜に行こうと考えていたのだけれども、電車の中で月曜日は休館日だと知った。家に帰ろうかとも一瞬考えたが、電車は建物の間をすいすいと進んでいき、私の家はどんどん離れていく。しょうがない、どこか別の場所に行こうと思い、六本木にある文喫に目的地を変更した。文喫は売り物の本が正々堂々と読めるカフェのような店である。

六本木駅の出口からすぐのところに文喫はある。入場料を支払って、本を読んだ。小説を読んで、雑誌を漁って、詩と短歌を斜め読みした。売り出されて少し経ったけれどもまだ図書館では数百件単位で予約されている本があって、三省堂や紀伊国屋のような、新刊を売る本屋では憚られる立ち読みが堂々とできて、良いブックカフェだなと思いながらフリードリンクの煎茶を二杯飲んだ。冷たくて、さっぱりとした味わいで爽快な気分となり、勢いでメロンクリームソーダを注文した。私はアイスがのっているソーダに目がないのである。文喫のメロンクリームソーダも美味しかった。グラスの外側では、結露した水滴がつぅーっと垂れていって、紙製のコースターに吸い込まれていく。グラスの内側では炭酸の細かい泡が、ぷくぷくと浮かんでは消えっていく。音楽が静かに流れ、人が動き、空気は対流しているはずなのに、なんとなく永遠を感じた。面白い本を読んで、美味しいものを飲んだなと思いながら、ウキウキしながら帰宅した。

以上、私の楽しかった7月22日。

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