推しの話がしたい(高橋ヒロム編)

ついに新日本プロレスの興行が再開されましたね。
私は無観客ってどうなの？さみしくない？派の人間だったのですが、
いざ始まってみると何も変わらないいつも通りの新日本のプロレスが
繰り広げられていて「あぁ、本当に帰ってきたんだなぁ」とぐっとこみ上げるものを抑えながら観戦しております。
来日が叶わない外国人レスラーの穴を埋めることができる新日の
選手層の厚さを痛感した今回のNJCも1回戦とは思えない激戦が繰り広げられています。
そんな中、昨日6/16(火)、私の最推し選手の高橋ヒロムが1回戦を戦いました。
相手はみんなのこけしこと、本間朋晃選手。
これがもう後世に伝えるべき名勝負になったので、今日はヒロムちゃんについて語らせてもらいたく思います。

高橋ヒロムといえば、ド派手な衣装、何をしてくるかわからないファイトスタイル、奇想天外な言動と挙げだしたらきりがないほどの個性の塊のような選手。
私がプロレスにがっつりハマるきっかけになった最重要選手でもありますが、その話は長くなるのでまたの機会に。
非常に気持ち悪い言い方をすると「恋はするものじゃなくて落ちるもの」を体感させてくれた人でもあります。
そんなヒロムの好きなところは？と聞かれたら全部としか答えられないのですが、昨日の本間さんとの試合を見て「やっぱり好きだな」と思えたところがあるので、少しご紹介します。

ヒロムちゃんの試合は見ていて楽しい。
本人もとても楽しそうに試合をしています。
ジュニアらしい派手でアクロバットな技や元陸上部の経験を生かしたスピード、切り返しのひらめき、試合中どこを切り取ってもハイライトになるような見ごたえたっぷりの試合を展開してくれます。
そこももちろん魅力ではあると思うんですが、私はそこよりも対戦相手へのリスペクトを感じられるところが大きな魅力だと思っています。

おそらく全レスラーが対戦相手にリスペクトをもって試合に臨んでいるとは思うのですが、ヒロムは特にそれが強く感じられる選手だと私は思います。
昨日の本間戦。正直、ヒロムの圧勝だと思ってました。
最初こそヘビー級とのパワー差を見せつけられていましたけど、中盤に差し掛かったあたりから持ち前のスピード感を武器に本間さんを翻弄し始めました。
「このまま終わるのかしら」なんて思い始めた矢先、本間さんが意地を見せます。
試合終盤、リング上でのエルボーの打ち合い。
首をやっちゃったもん同士、同じ地獄を見た者同士、二人にしかわからない対話のような時間。
私はあの時間に本間さんの人生を見たような気がします。
それにヒロムが応えるように同じ技で返していくシーンは思わず涙が出ました。
ヒロムはただ相手を圧倒するのではなくて、相手の技、気持ち、思いを全部受け止めてその上に自分の気持ちを乗せて返していく、そんなプロレスをするように思います。
相手のいいところ、本当に強い部分を最大限に引き出すことに非常に長けている選手だと思います。
特に下馬評でヒロムの勝利を予想されている対戦相手に対して、
「本当はこんなに強い選手なのに、世間の印象は違うなんてもったいない」と言わんばかりに相手を怒らせ、本来の力を発揮させるのが本当にうまい選手だと思っています。
それが顕著に感じたのは2017.3.6 旗揚げ記念日での田口隆祐戦でした。

田口監督はいまでこそ、ああいうプロレスをする人で「お笑いプロレス」なんて揶揄する人もいますが、ジュニアヘビー2回、ジュニアタッグでは6回もベルトを戴冠し、BOSJだって優勝経験があるすごい実力者。
そんな監督、挑戦表明の時もあおりVTRでもおふざけ満載で、「本当に獲る気あるのか」と疑ってしまいたくなります。
だけど、いざ試合が始まってみると中盤以降、ヒロムの挑発もあって昔の田口隆祐が顔を出し、かつての異名、ドロップキックマスターに恥じないとても美しいフォームのドロップキックもさく裂しました。
結果は負けてしまいましたが、やっぱり田口は強いんだな、と再認識できた試合だったのではないかと思います。
田口監督の技を受け、昔の田口隆祐を引き出し、本気の田口と向き合う。
それはある意味で監督への恩返しのようにも見えます。
格闘技経験のないヒロムは入門テストのとき体が小さいこともあって
合格が危ぶまれたようなのですが、当時試験官だった監督が
「あいつは足が速い。光るものがあるよ」と言って合格になったという逸話があります。
それを踏まえてあの試合を見ると、本気の田口に向き合って、本当の意味で田口に勝って「ここまで強くなりました」というところを見せることが
ヒロムなりの恩返しのつもりだったのかもしれません。

リスペクトしているからこそ、相手の全力を引き出し、自分の全力とぶつけて勝つ。
言い方は難しいけど、ヒロムなりの相手へのリスペクトなんだと思います。
だからなのかわからないけど、ヒロムの試合は勝った負けたの試合が私の記憶の中では少ないような気がします。特にシングルマッチは。
最終的にヒロムが勝っても、対戦相手は強かった、すごかった。っていう感想の試合が多い気がします。
それはヒロムが相手の本当の実力を引き出してそれに全力で応えるからなのかなと思います。

そんなヒロムちゃんの2回戦の相手は過去にトラウマがありそうな矢野さん。
矢野さんにはヤングライオン時代に2回髪を刈り取られていて、
さっき矢野さんがさっそくYou Tubeに上がっている過去の試合映像を
無言でツイートしてました。
2度あることは3度あるで矢野さんがまたヒロムちゃんの髪を刈り取ってしまうのか、はたまた過去のトラウマを乗り越え矢野さんに一矢報いることができるのか！
注目の試合は6月24日！！
うおー楽しみ！！！