スタンプコミュニケーション

昨今のチャットコミュニケーションには「スタンプ」という概念がある。私の調べによると新規に開発されるネットコミュニケーションツールにおいては全てに採用されている。ひっぱりだこだ。

「おはよう」とか「ごめん」というメッセージを送りたい時に、「おはよう」のスタンプ、「ごめん」のスタンプがあって、多くの場合は可愛らしく装飾されたキャラクターが発信者の代わりにメッセージをログに掲げてくれる。

視覚的なメッセージによって相手へ心を伝える試みが、絵を直接書かなくても使えるという画期的な発明だ。

絵で何かを伝える文化は昔からあるが、チャットとは言え対話の中でテンポを崩さずに活用する日がくるとは。文明と若者の発展には頭が下がる。

人は見た目が十二割と言われているから、視覚による相手への好印象は計り知れない物があるだろう。スタンプを交えることで、普段よりもチャットが盛り上がるように感じるやもしれない。

スタンプを使って相手に伝わるのはなんだろう。「おはよう」という言葉では物足りない、陽気なニュアンスや相手への信頼感。「私はあなたを受け入れています」という気さくさ。

言葉では伝わらない物が伝えられるようになるのは確かだ。「おはよう」という言葉だけでは感情は感じ取れない。スタンプを使って、笑顔の画像と合わせて「おはよう」と伝えれば元気が伝わるだろう。

もともと「おはよう」という言葉には、私の真心を相手に伝えるための役割があると思っている。(おはよう。今日は天気が良いね。良い事が起こりそうな気分だ。君は何か今日、楽しみなことがあるかね)というくらい、真心を込めて私は「おはよう」を使っている。

この真心は「おはよう」だけで理解されることが少なく、私は慣れない話し言葉によって真心を伝えるよう努めたり、諦めたりしている。話しことばにおいてもスタンプのようにニュアンスを伝える技術を身につけたいと思う今日このごろだ。

会話においても笑顔で「おはよう」というのが、真心を伝える第一歩。言葉だけでは伝わらない。自分の体を工夫して使えば、私の真心も相手に届くのではないだろうか。

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